もしもわしがCEOならシリーズ 〜三菱UFJ銀行〜
もしもシリーズ第二弾です。
ちなみに第一弾はこちら
さて、今回はフィンテックやらキャッシュレスやらで話題の金融業界、その中の雄、
三菱UFJ銀行です。
私も大学生の頃からUFJは愛用していますが、ついこの前、かなりムカつく対応を窓口でされたのと、あとは最近私たちのオンラインコミュニティに金融関係の人も増えてきたので、ちょっと考えて見たいと思いました。
1、現状分析
⑴三菱UFJ銀行の歴史
ざっと背景を理解するために、UFJの歴史を理解します。
東京銀行や三和銀行など、歴史がある名門銀行が合併を繰り返し、今の形になりました。
(UFJHP参照)
(2)売り上げ推移
現時点の売り上げは4兆程度ですね。利益率もリーマンショック以降低下傾向。
銀行は基本的に大不況のタイミングで吸収合併を繰返してきました。
(特にバブル経済崩壊後のタイミングで多くの銀行が合併)
なぜ合併を繰り返すのかというと、銀行のビジネスモデルは息が長いので、急な不況で財務体質が悪化したら合併を通じて収益性を改善しないと死んでしまうからですね。
(3)事業領域
事業領域ですが、大きく以下です。
①国際個人、法人サービス :売上比率 約60%
②国内個人向け 約20%
③国内企業向け 約11%
④そのほか
て感じです。
想像以上に①の海外売上げ比率が高いですね。
ちなみに同じメガバンクの「みずほ」は海外比率が20%、「三井住友」は30%より、
三菱が海外展開が進んでいることがわかります。
また、具体的なサービスとしては、
・融資(個人、企業含め)→これは様々なサービスがありすぎて複雑です。
・コンサルティングビジネス
・決済を軸にしたIT支援サービス
等既存の融資の枠に留まらず、優秀な銀行マンの頭脳を生かした課題解決型ビジネス展開を図ろうとしてます。
(この辺り細かい数字はなかったのですが、融資ビジネスが以前メインの収益源であることは間違い無いでしょう)
現時点の戦略としては部門横断的にデジタル化を進めていきながらも、主に国内市場に向けては以下の戦術展開です。
・中小企業向けに財務サポート含めた融資ビジネス展開により、市場シェア拡大
・新ビジネスモデルの構築
ブロックチェーンを活用した新しい国内外、簡易決済サービス
ベンチャー企業支援
上記の取り組みは下手したら、自分たちの首をしめる可能性もあるので、この辺の調和をいかにうまく取りながら、事業展開していくか大切ですね。
2、課題
大きく二つあります。
一つは海外展開です。
海外市場についてはさらなる事業拡大のため、どうやって海外展開を行っていくかです。ちなみに世界No1の時価総額はBank Of Americaで売上9兆円ほど。
こちらはまたいつか書きたいと思います。(いまは論じるほど情報が集められていない笑)
もう一つは国内市場。今回はこちらにスポットを当てます。
まず国内市場、全体的な収益としては増加傾向ですが、
やはり国内市場の個人、法人ともに収益減です。
国内リテールは円預金や運用商品の粗利が低下。また、法人向けも預金、貸出両方減少傾向です。
単純にみんな銀行にお金を預けたり、借りなくなっているということです。
つまり企業自体が金を持つし、借りなくなるし、それの使い道に困っているということでしょう。
さらに個人向け市場でも、これまで重厚長大な中央集権システムを作ってきて、その利ざやで儲けてきましたが、近年はテクノロジーの進化で、銀行に頼らずにお金のやり取りや資金調達ができるようになってきました。
ゆえ、今後銀行業が直面する課題はいくつかあります。
(1)国内市場の縮小
(2)デジタル化に伴った新たな決済手段や資金調達方法の出現による銀行業のプライオリティの低下
(3)仮想通貨の出現による新しい経済網の出現
(4)リアル店舗の在方やATMの運用(遊休資産になる)
この事実に対して、UFJは、
「いかに既存資産や強みを有効に活用しながら、国内市場の新しいマーケットを切り拓くか」であると考えます。
3、打ち手
その前にUFJの強みは何か?
それは
・優秀な人材(財務管理やオペレーション的な意味で)
・リアル店舗、場
・豊富な資金力
です。
それらをうまく活用できる新たな事業を作っていくことが今後必要になります。
⑴B to B向け:リアル店舗を活用した融資先企業誘致と留職事業
まず、国内市場の収益を守るためには、大企業ではない、ベンチャーや中小企業の
融資顧客のシェア拡大が必須。
そこで、新たな融資顧客と出会うための場と確度の高い投資を行えるための仕組みを内部に作ります。
最近のよくある動きはスタートアップのアクセラレイタープログラムを銀行が行い、そこで有望なベンチャーには出資を行うという流れですが、正直銀行の人間はワイコンの人間でないので、スタートアップを見極める目を持っていません。
しかし、今後しっかり融資事業をてこ入れしていくためには、ここを内部の競争優位性として所有しておく必要はあるでしょう。
つまり、銀行側の課題はその企業やベンチャーの将来性を見極める仕組みを持つことです。
一方、新規ベンチャーや中小企業は人手不足で即戦力を求めている。
ここで、UFJの優秀な人員とリアル店舗のリソースが活用できる施策を考えます。
名付けて、「共に走りながら融資見極め〜UFJ社員の融資先企業派遣として送り込んじゃえ〜」
銀行の既存店舗の窓口業務の一部スペースを完全にサテライトオフィス化します。
そして、そのサテライトオフィスに中小ベンチャーを招き、彼らに自由にオフィスとして使ってもらいます。
ここまではよくあるコワーキングスペースですが、ここの特徴はなんとサテライトオフィスを利用する企業にUFJ社員が一名必ずサポーターとして入社(留職)してくれます。
②UFJ社員を融資見込み企業に送り込む(留職)
留職したUFJ社員の役割は二つ。
一つは日々の彼らの業務サポート、
もう一つは、その企業のリアルな状況を直で見て、彼らの事業性や投資判断の検証です。
これにより、UFJ担当者はベンチャー企業の財務状況や人員の優秀さ、事業性など、
融資案件にとって必要な情報をを日々リアル実感値として体感し、日々の情報を通じて、その会社の有望性を判断できます。これらを各拠点で1クールごとに行うことで、着実に融資案件が増え続けます。
さらにこれらの業務プロセスを繰り返すことで、UFJ内の社員のスキルはベンチャー企業で働けることでスキルアップするとともに、UFJ銀行内に投資事業のノウハウが蓄積され、より高い精度で投資判断を今後行うことができます。
今後銀行の窓口業務も減少していき、土地の使い方が課題になるので、ちょうど良いでしょう。
(2)B to C向けサービス
①リアルファンディング窓口
三菱UFJの課題は、いかに銀行に眠っている個人資産の活用を促すかです。
彼らが自分たちの資産を活用することで、国の経済は活性化し、かつ、
消費が活性化すると資金を借りる人も増えるでしょう。
先ほど論じたリアル店舗に様々な企業が集まるようになれば、
その企業のピッチイベントをリアル店舗で毎日開催できます。
そこに、UFJ銀行の預金口座をもつ一般客を集め、彼らに投資を行わせるのです。
投資と言えど、一口10万円程度の少額出資ですが、100人集まれば1000万円です。
つまり、彼らの眠っている資産を有望な企業に促す仕組みを作ります。
代替引退したら株式にはまる人もいますが、これからはそこに体温が必要です。そうなると直接株式を買う企業のリアルな顔が見える場をUFJは作れば良いのです。
UFJは胴元としてうまく場を仕切りながら、適切なリターンの設計や回収リスクなどを見える化し、ある意味楽しくローリスクで投資ができる場の設計を行います。
②カードレス社会の実現
一方、現在進むキャッシュレス社会ですが、三菱UFJは戦い方のアプローチを変えます。それはQRコードの先、顔決済に行ってしまう事です。
まず、三菱UFJのスマホアプリが存在しますが、顔認証登録をしておける機能を実装します。
そして、店舗にて据え置き型カメラで顔認証を行えるようにする機器をばら撒きます。組む提携企業はパナソニックです。
パナソニックはカードリーダーのシェア一位ですが、彼らもカードリーダーがキャッシュレス社会の到来で市場がごっそりなくなってしまう恐れを持っています。
ただし、パナソニックが有する顔認証技術はかなり精度が高く、カードリーダーの代わりに据え置きのカメラをレジにおいておき、三菱UFJの口座を所有している人は自動で
顔認証を行い、決済が済むようにしてしまえば良いのです。
これは既存のキャッシュレスの先を見越したプラットフォームになり、
さらには今後あらゆることがスマホなしでできる社会の実現を見越したものです。
以上が私の考えるUFJの打ち手です。
これらの打ち手は何かというと、
UFJに口座をもつ人たちと出資を求める企業たちが混じるある場を作り、
彼らが楽しくお金を使える場作りを行えるということです。
これからのUFJや金融業が生きる道は
お金を貸す、その先、お金をどうやって楽しく使えるか、であり、
その道筋を作り上げることになってきます。
ちょっと色々と中途半端ですが、そのうち加筆して行きます。
ではでは。