もしも自分がクラウドワークスの社長ならどうする?
久しぶりのワシならどうするシリーズ。
今回は業績絶好調のクラウドワークスをこれからどうするか考えたいと思います。
業績絶好調だけに、これからさらなる事業の拡大に向けた方策について論じたいと思います。
1、市場環境
①国内市場推移
これは政府が出したクラウドソーシング市場の予測(2015年です)
2016年950億円→2020年2,950億円市場へ※仕事依頼金額ベース
市場全体は急速に伸びています。
フリーランス人口の増加、副業トレンド、カテゴリー別に様々なクラウドソーシングサービスが立ち上がっていることが要因とあげられるでしょう。
この数値の伸び率は高いのか?
単純比較はできませんが、日本はアメリカに比べ急速にフリーランス人口が増えていることからCAGRは高いと言えるでしょう。
参考:以下URL
②クラウドソーシング利用者状況
ここでは個人向け利用ではなく、企業向け利用にスポットを当てます。
何故なら企業のクラウドソーシング利用は未だ20%以下です。
2、競合状況
①最大のライバル:ランサーズ
ランサーズは未上場なので業績が公表されていませんが、
一部のニュースからでは2016年度は売り上げ21億円ということです。
となると、総契約額その2〜3倍という気がしますね。
はっきりした数値はないのでなんともいえませんが、
クラウドワークスよりもこの時点では売り上げ、利益額ともに高いようです。
また、C to Cの様々なサービス展開も新規事業として繰り広げています。
何となくですが、ほぼ同数の利用者数に対して、ランサーズの方が高い売り上げを達成できている点は、登録者数の中でも実際に利用をしている肩の割合や頻度がクラウドワークスに比べた高いのかもしれません。
②その他諸々の企業
最近は仕事のカテゴリーが分類してきて、いろいろなサービスが立ち上がってます。
見ていると、クリエイター系の職種を細分化しているところが多いですね。
彼らはニッチ戦略なので、特に気にしなくて良いかと思います。
3、クラウドワークスの事業展開と課題
①事業展開
まずは、事業規模の総契約額は2018年度は100億強のようです。
これは市場シェアの代替10%弱のようです。
アメリカのUPWORKも概算したところ、総契約額1500億で、市場シェアの
10%〜20%程度かと思うので、クラウドワークスもいい感じかと思います。
基本的には、既存事業のKPIにワーカー数と一人当たり契約額を軸にしています。
そして、既存事業で培った強みを生かしながら新事業を立ち上げています。
②課題
以下は僕が考えるクラウドワークスの課題です。
(1)to B向けの開拓
一つ目は契約社数を増やすことです。現在クラウドソーシング を利用している
企業は全体の20%程度です。特に地方の中小企業はこれから人手不足の中、
IT技術への抵抗もまだありますので、そこを切り開く作戦が必要です。
(2)チャーンレートを下げる
チャーンレートが高いことが問題です。
3年目時点での継続利用者数は全体の20%程度ですが、
海外のアップワークの30%~40%に比べたら低いです。
となると継続的に使ってもらうインセンティブ設計が必要となり、その設計が必要です。
4、クラウドワークスの打ち手
ここから私ならどうするかですが、まずは大きく三つあります。
一つは企業向けのサブスクリプションサービスの提供です。
現在企業は働き方改革に躍起になっていますので、例えば
Slackのような企業と提携を行い、パッケージ提案を行いながら
一緒に顧客獲得を行うというのは有効ではないでしょうか?
お互いの営業マンのリソースも有効活用できます。
企業向けの提案の良いところは、
定年退職後のユーザーをそのままクラウドワークスのユーザーに勧誘できる可能性もあります。
得に大企業を退職したおじさんたちは高いスキルを持っている一方、自分自身で
使いどころが分かってないので、彼らのスキルをクラウドワークスで活かすのは非常に良いかと思います。
二つ目はインセンティブ設計を工夫することで、利用者の満足度をあげます。
具体的には長期利用者には手数料を半額にしてあげるや仕事の優遇など何かしらの
得点を与えることで、継続的に利用するユーザーが増えるかと思います。
海外のUPWORKは長期継続利用者には手数料を下げることで、うまく利用者を維持していますね。
これにより、チャーンレートは下がり、一人当たりの契約額も上がるはずです。
三つめは、新事業として個人向けのキャリアを応援する新事業を提案するのが良いかと思います。
人生100年時代という言葉が流行っていますが、
みんな自分の強みを理解できていない人が多すぎるし、どんなスキルを身につけて行ったら良いかわからない人たちも多く、
そんな人たち向けに「キャリア支援サービス」を提供すると良いかと思います。
この辺りは町役場と組むか、リクルートなどと提携するのが良いかもしれません。
以上、僕なりのクラウドワークスへの提言でした。