日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

余白の大切さ

例えば、言葉で全てを語る必要がないときがある。

言葉の中に余白を作っておくことで、

より多くを、相手に伝えられることがある。

 

先日旅行で京都のお寺の美しい庭園に行ったが、そこにも余白があった。

 

あえて敷地に余白を残しておくことで、

変化の自由度が高まり、春夏秋冬の変化を楽しむことができる。

初めから決められた場所に、規定の植栽が埋められていたら、

自由度はないし、変化もない。

 

 

僕の住む駅にも、駅前には大きな余白がある。

何もない芝生だ。

そこは休日は家族がピクニックをしたり、

楽器を弾く人がいたり、遊びまわる子供がいる。

 

ある意味iphoneも余白の塊だ。

画面にどんなアプリを入れるかは自分次第。

チェキの写真の周りは白い枠の余白がある。

ここにメッセージを書き込むことができるからこそ、瞬間が思い出に変わる。

 

 

余白があることで、僕たちは余白を埋めるための想像ができるし、

余白に何かを継ぎ足す創造もできる。

 

余白を作ることは企画サイドからしたら捨てることだが、

消費者からしたら創造性を与えること。

 

だから、余白を大切にしてほしい。

 

 

1人の幸せを願う商品企画

久々に反省している。

 

先日、お客様への提案書を作る機会があった。

自分の商品を売り込むのに必死だった。

なんとかお客様に使ってもらえるようなシーンをたくさん考えた。

 

でも、どれ一つとして、刺さる提案ではなかった気がしている。

なぜなら、

そこにどんな人が来てどう喜ばせるか、というたった1人のお客さんを喜ばせる

思想が完全にかけていた。

これは、マーケテイング近視眼的な状況である。

驚いた。

あれほどまで、常日頃からお客様のことを考えているつもりだった。

自分の強みは戦略的思考、抽象的思考ができつつ、

戦術的思考、具体的に考えられることが強みではなかったのか?

いつの間にこんな現場を考えられていない頭でっかちになってしまったのか?

目の前の商品に必死で、たった1人のお客様の幸せさえも考えられていなかった。

 

数年前、社内で新規事業プランを作る際に叩き込まれた、

「サービスを考える時は、たった1人の具体的なお客様の超リアルなシーンを小説を書くかのごとく描いてみること」だったのに。。。

そんな大切なことを忘れてしまっていたとは。

 

大いに反省しよう、

必ず、ペルソナは常にリアルに考えよう。

 

エリートが集まる経営者研修に参加して、社長と話したときのこと

うちの研修制度には「経営者研修」というものがございます。

 

これは毎年20人が全社から選抜されて、1週間程度行われる合宿型研修です。

目的は、将来の経営者を育てる、ということで、

まあ各部門のエリート達、30歳前後の人たちが部内の推薦で集結され死闘を繰り広げます。

うちの会社は毎年採用は500人程度なので、

母数としては、500人×10年代=5000人規模の中から、20人。

0.4%程度なので、そこそこ狭き門です。

この経営者研修に参加した人は、次のエリート養成研修に進むことができたりします。

 

 

僕は別にエリートでも何でもないのですが、うまく潜り込んで、参加しました。

(年齢としては全体で2番目に若かった)

 

僕が参加した理由は、

⑴弊社のエリート達とはどんなものか?の品定め

⑵社長と話したい

の2点です。

結論から言うと、⑴はつまらん人間ばかりで萎えました。

みなさん、今の仕事では成果を出しているのかもしれませんが、

世界の情勢理解や最先端ビジネストレンドへの知見も浅く、

ビジョン創出力や戦略策定能力が低く、

正直このレベルで世界とは全く戦えないな、と暗い気持ちになるレベル。

 

ただ、⑵は良かったですね。

研修の最後に自分のビジネスプランを社長に発表して、懇親会があります。

そこで、自分は初めて自分の会社の社長と話をすることができました。

 

正直僕くらいの末端社員だと、社長と話す機会なんてまずなく、

3年に1回、展示会とかでチラ見したりするくらいです。

 

話した時間は30分くらいかな、

僕は社長にどんな信念で仕事をしているか、を聞いて見たのですが、

なかなか過激なお方で笑えました。

以下は社長の金言

・仕事を人生のプライオリティの最優先事項にして欲しい、それくらいに熱中しないと楽しくない

・短期間で成果を出すコツは?
→脅してもやる、何をやっても成果を出す。デッドラインを決めて確実にやり切る。あとは後輩たちに任せる。
・徹底的に考える。自分の頭で考えて勝負する。そこが一番大事。
・人生で必ず頑張る時期がくる。その時は死ぬほど頑張るだけ。
・自分ももう一回人生をやり直せるなら大企業の社長より、スタートアップで起業したい
 
 
 

個人的には、短期間で成果を出すために「脅してもやる」と言うフレーズに思わず笑えてしまいました。

脅す対象は社内の人間はもちろん、上司、時には相手先企業やサプライヤーなど、

相当修羅場をくぐってきたのだろうと。

 

でも、生きるか死ぬかの戦いをやってるので、それくらい真剣に仕事に取り組んでいることが聞けて良かったですし、明日への養分になりました。

 

生きていることを実感できる身体性について

先日、会社から長期休みをもらったので、タイに行ってきた。

2週間の休暇で僕はタイ式マッサージの修行を行ってきたのだ。

 

勿論、マッサージのテクニックを上げたいというのが一番の目標だったが、

修行を通じて、意外なことを感じた。

それは

「あ〜なんか自分って今すげえ生きている」ことを実感したのだ。

 

マッサージの授業は、祈りから始まる。

そのあと、受講者同士でマッサージの練習を部位ごとに行う。

自分が相手の身体を揉んで、相手が気持ちいいか、強すぎたか、痛いかなどを

リアルタイムでフィードバックしてもらえる。

自分の手は相手の体温の温もりを感じるし、相手の表情や雰囲気から自分の押し方を変化させる。

先生には手取り足取り指導してもらい、最適な押し方を実践してもらえる。

今、この瞬間に集中して、自分の手のひらに全神経を集中させて、呼吸を整えて、

マッサージを行っていく。

 

 

 

昼休みはみんなで近くの屋台で食材を買って、風に当たりながら昼飯を食べる。

そしてまた授業を行う。

 

の繰り返しだ。

 

一見単調なことかもしれないが、普段の僕の仕事からしたら全くもって

単調ではなく、実に人間らしいことをしていると感じた。

 

というのも、僕が普段の仕事で上記のような手触り感・身体性を感じる瞬間は非常に少ない。

一日中パソコンを通じたコミュニケーションに終始し、

会議中も相手の表情を伺い話す言葉を選ぶ。

議論しているのは未来のことばかり。

リアルなことはたまにはある。

展示会出展やお客様への営業、実証実験なんかはそうだが、

それらの体験も全くもって、タイのマッサージに比べたら身体性という観点からは

薄い事例だ。なぜか?

それは、やはり、「今・ここ」という実感が薄いからだと思う。

 

「今、この瞬間目の前の人に集中して、相手がどう感じるか、相手の表情が何を示唆しているか、それに合わせて自分の一挙手一投足をどのように変化させるか」

これが身体性を感じられる体験なのだと思う。

この身体性を通じて、人は深い体験や感情を湧き上がらせることができる。

これが生きる、そのものだと思う。

 

 

谷川俊太郎の生きる、という詩にはこんなフレーズが出てくる

 

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

 

今この瞬間の意識を大切にすることは、何気無い自分の感情さえも生きている実感にさせてくれる。

 

これからそういう生きている感覚を感じられる場所が求められていくんだろうな〜と思った。話。

 

 

 

 

 

もしも自分がクラウドワークスの社長ならどうする?

久しぶりのワシならどうするシリーズ。

今回は業績絶好調のクラウドワークスをこれからどうするか考えたいと思います。

業績絶好調だけに、これからさらなる事業の拡大に向けた方策について論じたいと思います。 

 

1、市場環境

①国内市場推移

これは政府が出したクラウドソーシング市場の予測(2015年です)

2016年950億円→2020年2,950億円市場へ※仕事依頼金額ベース

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市場全体は急速に伸びています。

フリーランス人口の増加、副業トレンド、カテゴリー別に様々なクラウドソーシングサービスが立ち上がっていることが要因とあげられるでしょう。

 

この数値の伸び率は高いのか?

単純比較はできませんが、日本はアメリカに比べ急速にフリーランス人口が増えていることからCAGRは高いと言えるでしょう。

 

参考:以下URL

www.atpress.ne.jp

 

クラウドソーシング利用者状況

ここでは個人向け利用ではなく、企業向け利用にスポットを当てます。

何故なら企業のクラウドソーシング利用は未だ20%以下です。

一つはここの市場を伸ばしていくという方向性が考えられます。
 
 
特に中小企業の課題とクラウドソーシング で解決できる領域は重なる部分もあるので
この市場を伸ばすことが必要の可能性があるかと思います。
( 以下は企業の経営課題とCSで解決できる領域)
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2、競合状況

①最大のライバル:ランサーズ

 ランサーズは未上場なので業績が公表されていませんが、

 一部のニュースからでは2016年度は売り上げ21億円ということです。

 となると、総契約額その2〜3倍という気がしますね。

 はっきりした数値はないのでなんともいえませんが、

 クラウドワークスよりもこの時点では売り上げ、利益額ともに高いようです。

 また、C to Cの様々なサービス展開も新規事業として繰り広げています。

 

  何となくですが、ほぼ同数の利用者数に対して、ランサーズの方が高い売り上げを達成できている点は、登録者数の中でも実際に利用をしている肩の割合や頻度がクラウドワークスに比べた高いのかもしれません。

 

②その他諸々の企業

 最近は仕事のカテゴリーが分類してきて、いろいろなサービスが立ち上がってます。

 見ていると、クリエイター系の職種を細分化しているところが多いですね。

 彼らはニッチ戦略なので、特に気にしなくて良いかと思います。

 

 3、クラウドワークスの事業展開と課題

①事業展開

 まずは、事業規模の総契約額は2018年度は100億強のようです。

 これは市場シェアの代替10%弱のようです。

 アメリカのUPWORKも概算したところ、総契約額1500億で、市場シェアの

 10%〜20%程度かと思うので、クラウドワークスもいい感じかと思います。

 基本的には、既存事業のKPIにワーカー数と一人当たり契約額を軸にしています。

 そして、既存事業で培った強みを生かしながら新事業を立ち上げています。

 

②課題

以下は僕が考えるクラウドワークスの課題です。

 (1)to B向けの開拓

 一つ目は契約社数を増やすことです。現在クラウドソーシング を利用している

 企業は全体の20%程度です。特に地方の中小企業はこれから人手不足の中、

 IT技術への抵抗もまだありますので、そこを切り開く作戦が必要です。

 

 (2)チャーンレートを下げる

 チャーンレートが高いことが問題です。

 3年目時点での継続利用者数は全体の20%程度ですが、

 海外のアップワークの30%~40%に比べたら低いです。

 となると継続的に使ってもらうインセンティブ設計が必要となり、その設計が必要です。

 

 

4、クラウドワークスの打ち手

 ここから私ならどうするかですが、まずは大きく三つあります。

 

 一つは企業向けのサブスクリプションサービスの提供です。

 現在企業は働き方改革に躍起になっていますので、例えば

 Slackのような企業と提携を行い、パッケージ提案を行いながら

 一緒に顧客獲得を行うというのは有効ではないでしょうか?

  お互いの営業マンのリソースも有効活用できます。

企業向けの提案の良いところは、

定年退職後のユーザーをそのままクラウドワークスのユーザーに勧誘できる可能性もあります。

 得に大企業を退職したおじさんたちは高いスキルを持っている一方、自分自身で

 使いどころが分かってないので、彼らのスキルをクラウドワークスで活かすのは非常に良いかと思います。

 

二つ目はインセンティブ設計を工夫することで、利用者の満足度をあげます。

 具体的には長期利用者には手数料を半額にしてあげるや仕事の優遇など何かしらの 

 得点を与えることで、継続的に利用するユーザーが増えるかと思います。

 海外のUPWORKは長期継続利用者には手数料を下げることで、うまく利用者を維持していますね。

 これにより、チャーンレートは下がり、一人当たりの契約額も上がるはずです。

 

三つめは、新事業として個人向けのキャリアを応援する新事業を提案するのが良いかと思います。

人生100年時代という言葉が流行っていますが、

みんな自分の強みを理解できていない人が多すぎるし、どんなスキルを身につけて行ったら良いかわからない人たちも多く、

そんな人たち向けに「キャリア支援サービス」を提供すると良いかと思います。

この辺りは町役場と組むか、リクルートなどと提携するのが良いかもしれません。

 

 

以上、僕なりのクラウドワークスへの提言でした。

ビジネスマンがアートを学ぶ必要はありますか?と尋ねられたらドヤ顔で答えよう

最近よく聞く言葉、アート。

特にNewsPicksやら、山口周さんやらZOZO前澤さんのおかげで、アートがビジネス文脈で語られることが増えてきました。

 

しかしだね、そもそも発想が逆なのだよ。

ビジネスの文脈でアートが語られること自体がナンセンスである。

 

なぜなら、古来よりビジネスはアートから派生してきたからだ。

例えばキーボードはピアノの鍵盤を活用して文字入力を行うという発想から産まれたし、アパレル販売という概念も綺麗に見える紫色の染色から派生した。 アートはビジネスにおいて元々必要条件である。

今の腑抜けた「ビジネスアート論」を例えるなら、

イノブタとイノシシってなんか似てません?

と言っちゃてることと同等である。

 

 

ビジネスは常にアートの思想で考えなければならない、という隠れた前提の世において、

改めてビジネスマンがアートを学ぶべき理由を考えてみました。

 

 

目次

①What's Art?

②アートとビジネスの共通点

③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル

 

 

 

 

①What's Art?

まず、アートという言葉の定義ですが、「芸術品」ですよね。

例えばゴッホの有名な「ひまわり」は芸術品で、紛れもなくアートです。

オークションなんかで取引されているものはほとんどがアート作品だと思います。

 

これらって抽象的に考えると、何なのでしょうか?

例えば、贅沢品というものかもしれません。

合理性の反対で情緒的、感性的なものかもしれません。

気持ちを幸せにするもの、手触り感、希少性、唯一無二、

所有していることで自尊心を満たすもの?

などなど。

 

 

今あげた言葉に、かなりアートの意味が凝縮されていると思います、つまり

「価値が個人の解釈に依存」するということです。

 

 

前澤さんにとってバスキアの絵は50億かもしれませんが、

僕にとっては4000円の価値しかないかもしれません。

 

アートは、人によって大きく評価が異なります。

一方、アート作品の対極に位置するものほど、人によっての評価は変わりません。

例えば「たわし」なんて誰がどう見てもただのたわしです。

 

つまり、アートはアートと人の間に「解釈」というスペースがあるため、

大きく価値が異なるわけです。

  

 

 

②アートとビジネスの共通点

お客様が「合理性」だけで商品を購入する時代は終わりました。

家電製品をその合理的な機能性だけでなく、デザインや可愛さで選ぶようになったのは古い話です。

多少高くても、自分が気に入ったものはお金を払いたい。

そして、この「気に入る」という行為は、まさに個人の「解釈」次第です。

今後この傾向がますます強くなります。

つまり、全ての商品やサービスがアート化して行く可能性が高いです。

 

しかし、ビジネスアートで大切なことは前澤さんみたいな超大金持ち一人に支持されたらいいというわけではなく、世の中の多くの人たちに、少なくとも1万人や10万人に

支持される必要があります。

じゃないとビジネスが成り立たないからです。

 

でも皆さんお気づきかと思いますが、

「個人の解釈に依存する価値」を創造するとともに、「この世の中の多くの人たちに支持される 」という二つは矛盾してますよね?

ニッチ戦略のくせに、マーケットシェアは高く維持しろ、と。

 

しかし、この相反することを成り立たせるためには武器が必要です。

 

その武器とは「ビジョン」です。

 

 

③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル 

ちょっと話は変わりますが、アーティストが行なっていることは何なのか考えてみると、

彼らが行なっていることは二つあります。

解釈と創作です。

彼らは作品を通じて、世界に何かを訴えます。

例えば、

・中東の戦争の悲惨さを伝えたい:解釈

・悲惨な状況を伝える絵を描く:創作

 

 

この解釈は、自分が実現したい世界観があり、それを伝える手段として

創作活動があると考えます。

 

で、このプロセスはまさにビジネスマンの商品企画プロセスに通ずるものがあります。

詳しくは以下に書きましたが「ビジョン」を駆使して、企画コンセプトを練り上げる手法です。

 

 

taitaitai.hatenadiary.jp

 

この

「ビジョンを考える=自分の解釈を世界に伝える」 行為、

ここにアートの所以があり、

ビジネスマンがアートを学ぶべき理由があるのだと思います。

 

だから、僕たちがアートを見聞きし、感じるときは、

そのアーティスト達が何を感じ、どういう解釈を施したのか、

そしてそれをどのようにパッケージングしたのかを深く考えることこそ、

最も価値ある時間となることだと思います。

 

 

 

サブスクリプションモデルを成功させるために必要な考え方

あらゆるサービスがサブスクリプションモデルを導入しようと躍起ですね。

あぁ、また始まったな。と僕は思いながら、色んな企業のサブスクサービスを眺めてますが、かつてのIoTやデータビジネスと同じように、

手段が目的になっている典型です。笑

だって、サブスクリプションってマネタイズの手段ですやん、

それを目的にしてどうすんの?と思いながらも、

自分自身サブスクサービスを展開しようとしている身なので、

その辺の思うことをまとめたいと思います。

 

目次 

 

 

①そもそもなんでサブスクリプションモデルが増えてるのか?

まず、僕の中でのサブスクリプションモデルの定義は

(1)利用期間に応じた支払い(途中解約も可能)

(2)サービスがアップデートされる

です。

 

(1)だけならただのリースやレンタルですが、

(2)があることによってサブスクリプションと言えるかと思います。

(そもそも(1)だけをサブスクと思っている恥ずかしい企業もいます) 

taitaitai.hatenadiary.jp

 

 

では、なぜサブスク化が進んでいるのか、それは大きく二つの理由です。

一つはAmazonNetflixなどのテックジャイアントが

無尽蔵の体力を生かし、低価格でお得感あるサブスクサービスを構築してしまい、

他の企業が焦ってるからです笑

 

 

二つ目は、顧客獲得コストが上昇しているため、お客さんと関係性を持ち、LTVを上げたいからです。

情報が爆発し、企業からのメッセージが届きにくい現代において、

一度お客さんになった方を逃すのは勿体無いですよね。

 

もちろん時代の変化が激しくその都度顧客の課題も変わるため、柔軟にサービスを変化させないと顧客の課題解決にならないし、

企業は顧客とつながり続け、彼らの声を得ながら、カメレオンのようにサービスを変化させることが必然になりつつあるからです。

 

 

  

サブスクリプションモデルで成功するために考えるべきポイント

こっからが本題です。

まず超大前提として、お客さんの気持ちになってください。

月々で支払うサブスクサービスって普通に嫌じゃないですか?

ちなみに僕は嫌です。だって毎月お金払いたくないやん。

月々支払う携帯代金でさえも、嫌気がさしてます。

 

僕はかなりケチな部類に入ると思ってて、大体のサブスクサービスは初回の一ヶ月無料だけ体感して、ほとんどやめます。

唯一やってるのはアマゾンプライム会員くらいですね。他は全部辞めちゃいました。

結局、コスパがあまりよくないんですよね。

 

そして僕だけじゃなく、仕事柄様々なB to Bのお客様にもヒアリングしてきた結果、

みんな同じです。

みんな月額お金払いたくないです。

 

そう、ここに心理学的に大切なポイントがあります。

サブスクを成功させるには、「月々支払うことによるお得感」が必ず必要です。

そして更に大切なことは、この「月々支払うことによるお得感」

というのは何かと比較してお得感を感じさせなければ絶対ダメです。

 

例えば、サブスクの代表格であるNetflixですが、

彼らのサービスの比較対象は、「自分でDVD屋に行ってビデオを一本ずつレンタルする」です。

DVD屋に行ってわざわざ一本づつ借りてお金を払うよりは、

Netflixで色んな映画を見れた方が楽だしお得だからみんなお金を払ってるわけです。

 

この視点に立つと、逆に失敗した事例の理由もわかります。

例えばペッパー君、月々9800円の通信費がかかります。

(その他諸々合わせると3万弱/月)

「ペッパー 寿司屋」の画像検索結果

 

SoftBankの目論見としては、

バイト一人雇うよりは、ペッパー1台の方が安いですよ、ということでの価格設定かと思いますが、多くの購入した企業ではバイトの削減に繋がらず、解約したところが多かったですね。

逆にバイトとしてしっかり機能している企業では継続して導入しているようです。

 

③ハードウェアでサブスクリプションに成功しているサービス

こっからは自分自身がハードウェア屋なので、メーカーの事例をあげたいと思います。

日本メーカーで代表的なのはSONYでしょう。

aiboやプレステでハードとサービスを組み合わせたモデルを行ってます。

aiboなんかも月々2980円の費用が発生しますが、

これは本物のワンちゃんを買って毎月餌をあげたりする費用に比べたら、

まあ安いよね、ということだしいい感じの価格設定をしています。

 

 

 

参考:

ソニー復活を牽引、PSとアイボの絶妙「サブスク」モデルの仕組み | 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ | ダイヤモンド・オンライン

 

 

 またアメリカで超人気のPelotonという自宅用エアロバイクですが、

これもハード+月々39ドルかかりますが

ジムの毎月1万円比べたら、安いよね、という感じですよね。

yogajournal.jp

 

このようにハードウェアとサブスクサービスを組み合わせた成功事例でもそうですが、

既存の何かと比較してのお得感がなければサブスクは絶対成功しないでしょう。

 

④ハードウェア企業がサブスクリプションを行う上で大切にすること

最後にいくつか思ったことを。

SaaSだけでなく、ハードウェアとSaaSを組み合わせたモデルが今後のメーカーの勝ち筋の一つになってきます。

その時メーカーの我々は何を考えれば良いか。

 

一つ目は、ハードだけでなく、ソフトウェアによるサービス価値の比重を大きくしておくことが重要になってきます。

先ほどのPelotonはまさにそうですよね。

エアロバイクというハードはあくまでサービスの一部で、どちらかというと全員でリアルタイムに

特別な講師からエクササイズを受けられることが重要な価値です。

 

炊飯器なんかは釜とか圧力などハードに起因する要因がすごい大切で、

ソフトウェアでアップデートできるといえど、温度と時間くらいです。

プロダクトの比重が大きすぎると、物さえ買えば良い、で終わってしまうので、

初めからソフトウェアの価値比重を高める設計が必要です。

むしろオープンソースにしてしまって、サービスが無尽蔵に増えていくようにしても良いかと思います。

 

二つ目はサービスの付加価値としてコミュニティを構築すること。

特にユーザー同士で繋がりを作ることができ、それでさらに素晴らしい体験ができればサービス価値が高まります。

www.strider.jp

 

例えばストライダーという最近流行っている子供向けの自転車がありますが

これは商品購入後も様々なイベントを行っており、体験価値を高めているが、

これをサブスクリプション化してしまい、イベントに優先的に参加できるような権利を得ることができる、などは熱いと思います。

 

 

三つ目は、マネタイズプランを複数作ることです。

僕がお客さんと話す中で、よく言うのは、特にB to Bの場合、サブスクに厳しいですし、費用対効果に対してかなりシビアです。

ハード導入費用だけでそこそこ金がかかるのに、さらに

月額サービス費用もいるのかと。

なので、サービス部分はフリーミアムのように、無料で使える部分と有料で使える部分を分けて提供し、たまに有料サービスを無料提供し、

そこから有料サービスに誘引する戦法が有効かと思います。

ハードの場合、お客さんが初期費用をかけて導入はしているので、

チャーン(解約)はSaaSだけに比べたらされにくいかと思います。

なので、積極的に有料サービスを体験できる機会を提供し、多少プロモーション費用をかけても貪欲にアップセルを狙う戦法がいいかと思います。

 

ハードウェアの場合、ハードの製造費用がそこそこかかるので、ハードをばらまく戦法はアマゾンのように体力がある企業でないと難しいですし。

 

以上、皆さんサブスク頑張りましょう!