もしも自分がクラウドワークスの社長ならどうする?
久しぶりのワシならどうするシリーズ。
今回は業績絶好調のクラウドワークスをこれからどうするか考えたいと思います。
業績絶好調だけに、これからさらなる事業の拡大に向けた方策について論じたいと思います。
1、市場環境
①国内市場推移
これは政府が出したクラウドソーシング市場の予測(2015年です)
2016年950億円→2020年2,950億円市場へ※仕事依頼金額ベース
市場全体は急速に伸びています。
フリーランス人口の増加、副業トレンド、カテゴリー別に様々なクラウドソーシングサービスが立ち上がっていることが要因とあげられるでしょう。
この数値の伸び率は高いのか?
単純比較はできませんが、日本はアメリカに比べ急速にフリーランス人口が増えていることからCAGRは高いと言えるでしょう。
参考:以下URL
②クラウドソーシング利用者状況
ここでは個人向け利用ではなく、企業向け利用にスポットを当てます。
何故なら企業のクラウドソーシング利用は未だ20%以下です。
2、競合状況
①最大のライバル:ランサーズ
ランサーズは未上場なので業績が公表されていませんが、
一部のニュースからでは2016年度は売り上げ21億円ということです。
となると、総契約額その2〜3倍という気がしますね。
はっきりした数値はないのでなんともいえませんが、
クラウドワークスよりもこの時点では売り上げ、利益額ともに高いようです。
また、C to Cの様々なサービス展開も新規事業として繰り広げています。
何となくですが、ほぼ同数の利用者数に対して、ランサーズの方が高い売り上げを達成できている点は、登録者数の中でも実際に利用をしている肩の割合や頻度がクラウドワークスに比べた高いのかもしれません。
②その他諸々の企業
最近は仕事のカテゴリーが分類してきて、いろいろなサービスが立ち上がってます。
見ていると、クリエイター系の職種を細分化しているところが多いですね。
彼らはニッチ戦略なので、特に気にしなくて良いかと思います。
3、クラウドワークスの事業展開と課題
①事業展開
まずは、事業規模の総契約額は2018年度は100億強のようです。
これは市場シェアの代替10%弱のようです。
アメリカのUPWORKも概算したところ、総契約額1500億で、市場シェアの
10%〜20%程度かと思うので、クラウドワークスもいい感じかと思います。
基本的には、既存事業のKPIにワーカー数と一人当たり契約額を軸にしています。
そして、既存事業で培った強みを生かしながら新事業を立ち上げています。
②課題
以下は僕が考えるクラウドワークスの課題です。
(1)to B向けの開拓
一つ目は契約社数を増やすことです。現在クラウドソーシング を利用している
企業は全体の20%程度です。特に地方の中小企業はこれから人手不足の中、
IT技術への抵抗もまだありますので、そこを切り開く作戦が必要です。
(2)チャーンレートを下げる
チャーンレートが高いことが問題です。
3年目時点での継続利用者数は全体の20%程度ですが、
海外のアップワークの30%~40%に比べたら低いです。
となると継続的に使ってもらうインセンティブ設計が必要となり、その設計が必要です。
4、クラウドワークスの打ち手
ここから私ならどうするかですが、まずは大きく三つあります。
一つは企業向けのサブスクリプションサービスの提供です。
現在企業は働き方改革に躍起になっていますので、例えば
Slackのような企業と提携を行い、パッケージ提案を行いながら
一緒に顧客獲得を行うというのは有効ではないでしょうか?
お互いの営業マンのリソースも有効活用できます。
企業向けの提案の良いところは、
定年退職後のユーザーをそのままクラウドワークスのユーザーに勧誘できる可能性もあります。
得に大企業を退職したおじさんたちは高いスキルを持っている一方、自分自身で
使いどころが分かってないので、彼らのスキルをクラウドワークスで活かすのは非常に良いかと思います。
二つ目はインセンティブ設計を工夫することで、利用者の満足度をあげます。
具体的には長期利用者には手数料を半額にしてあげるや仕事の優遇など何かしらの
得点を与えることで、継続的に利用するユーザーが増えるかと思います。
海外のUPWORKは長期継続利用者には手数料を下げることで、うまく利用者を維持していますね。
これにより、チャーンレートは下がり、一人当たりの契約額も上がるはずです。
三つめは、新事業として個人向けのキャリアを応援する新事業を提案するのが良いかと思います。
人生100年時代という言葉が流行っていますが、
みんな自分の強みを理解できていない人が多すぎるし、どんなスキルを身につけて行ったら良いかわからない人たちも多く、
そんな人たち向けに「キャリア支援サービス」を提供すると良いかと思います。
この辺りは町役場と組むか、リクルートなどと提携するのが良いかもしれません。
以上、僕なりのクラウドワークスへの提言でした。
ビジネスマンがアートを学ぶ必要はありますか?と尋ねられたらドヤ顔で答えよう
最近よく聞く言葉、アート。
特にNewsPicksやら、山口周さんやらZOZO前澤さんのおかげで、アートがビジネス文脈で語られることが増えてきました。
しかしだね、そもそも発想が逆なのだよ。
ビジネスの文脈でアートが語られること自体がナンセンスである。
なぜなら、古来よりビジネスはアートから派生してきたからだ。
例えばキーボードはピアノの鍵盤を活用して文字入力を行うという発想から産まれたし、アパレル販売という概念も綺麗に見える紫色の染色から派生した。 アートはビジネスにおいて元々必要条件である。
今の腑抜けた「ビジネスアート論」を例えるなら、
イノブタとイノシシってなんか似てません?
と言っちゃてることと同等である。
ビジネスは常にアートの思想で考えなければならない、という隠れた前提の世において、
改めてビジネスマンがアートを学ぶべき理由を考えてみました。
目次
①What's Art?
②アートとビジネスの共通点
③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル
①What's Art?
まず、アートという言葉の定義ですが、「芸術品」ですよね。
例えばゴッホの有名な「ひまわり」は芸術品で、紛れもなくアートです。
オークションなんかで取引されているものはほとんどがアート作品だと思います。
これらって抽象的に考えると、何なのでしょうか?
例えば、贅沢品というものかもしれません。
合理性の反対で情緒的、感性的なものかもしれません。
気持ちを幸せにするもの、手触り感、希少性、唯一無二、
所有していることで自尊心を満たすもの?
などなど。
今あげた言葉に、かなりアートの意味が凝縮されていると思います、つまり
「価値が個人の解釈に依存」するということです。
前澤さんにとってバスキアの絵は50億かもしれませんが、
僕にとっては4000円の価値しかないかもしれません。
アートは、人によって大きく評価が異なります。
一方、アート作品の対極に位置するものほど、人によっての評価は変わりません。
例えば「たわし」なんて誰がどう見てもただのたわしです。
つまり、アートはアートと人の間に「解釈」というスペースがあるため、
大きく価値が異なるわけです。
②アートとビジネスの共通点
お客様が「合理性」だけで商品を購入する時代は終わりました。
家電製品をその合理的な機能性だけでなく、デザインや可愛さで選ぶようになったのは古い話です。
多少高くても、自分が気に入ったものはお金を払いたい。
そして、この「気に入る」という行為は、まさに個人の「解釈」次第です。
今後この傾向がますます強くなります。
つまり、全ての商品やサービスがアート化して行く可能性が高いです。
しかし、ビジネスアートで大切なことは前澤さんみたいな超大金持ち一人に支持されたらいいというわけではなく、世の中の多くの人たちに、少なくとも1万人や10万人に
支持される必要があります。
じゃないとビジネスが成り立たないからです。
でも皆さんお気づきかと思いますが、
「個人の解釈に依存する価値」を創造するとともに、「この世の中の多くの人たちに支持される 」という二つは矛盾してますよね?
ニッチ戦略のくせに、マーケットシェアは高く維持しろ、と。
しかし、この相反することを成り立たせるためには武器が必要です。
その武器とは「ビジョン」です。
③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル
ちょっと話は変わりますが、アーティストが行なっていることは何なのか考えてみると、
彼らが行なっていることは二つあります。
解釈と創作です。
彼らは作品を通じて、世界に何かを訴えます。
例えば、
・中東の戦争の悲惨さを伝えたい:解釈
・悲惨な状況を伝える絵を描く:創作
この解釈は、自分が実現したい世界観があり、それを伝える手段として
創作活動があると考えます。
で、このプロセスはまさにビジネスマンの商品企画プロセスに通ずるものがあります。
詳しくは以下に書きましたが「ビジョン」を駆使して、企画コンセプトを練り上げる手法です。
この
「ビジョンを考える=自分の解釈を世界に伝える」 行為、
ここにアートの所以があり、
ビジネスマンがアートを学ぶべき理由があるのだと思います。
だから、僕たちがアートを見聞きし、感じるときは、
そのアーティスト達が何を感じ、どういう解釈を施したのか、
そしてそれをどのようにパッケージングしたのかを深く考えることこそ、
最も価値ある時間となることだと思います。
サブスクリプションモデルを成功させるために必要な考え方
あらゆるサービスがサブスクリプションモデルを導入しようと躍起ですね。
あぁ、また始まったな。と僕は思いながら、色んな企業のサブスクサービスを眺めてますが、かつてのIoTやデータビジネスと同じように、
手段が目的になっている典型です。笑
だって、サブスクリプションってマネタイズの手段ですやん、
それを目的にしてどうすんの?と思いながらも、
自分自身サブスクサービスを展開しようとしている身なので、
その辺の思うことをまとめたいと思います。
目次
- ①そもそもなんでサブスクリプションモデルが増えてるのか?
- ②サブスクリプションモデルで成功するために考えるべきポイント
- ③ハードウェアでサブスクリプションに成功しているサービス
- ④ハードウェア企業がサブスクリプションを行う上で大切にすること
①そもそもなんでサブスクリプションモデルが増えてるのか?
まず、僕の中でのサブスクリプションモデルの定義は
(1)利用期間に応じた支払い(途中解約も可能)
(2)サービスがアップデートされる
です。
(1)だけならただのリースやレンタルですが、
(2)があることによってサブスクリプションと言えるかと思います。
(そもそも(1)だけをサブスクと思っている恥ずかしい企業もいます)
では、なぜサブスク化が進んでいるのか、それは大きく二つの理由です。
一つはAmazonやNetflixなどのテックジャイアントが
無尽蔵の体力を生かし、低価格でお得感あるサブスクサービスを構築してしまい、
他の企業が焦ってるからです笑
二つ目は、顧客獲得コストが上昇しているため、お客さんと関係性を持ち、LTVを上げたいからです。
情報が爆発し、企業からのメッセージが届きにくい現代において、
一度お客さんになった方を逃すのは勿体無いですよね。
もちろん時代の変化が激しくその都度顧客の課題も変わるため、柔軟にサービスを変化させないと顧客の課題解決にならないし、
企業は顧客とつながり続け、彼らの声を得ながら、カメレオンのようにサービスを変化させることが必然になりつつあるからです。
②サブスクリプションモデルで成功するために考えるべきポイント
こっからが本題です。
まず超大前提として、お客さんの気持ちになってください。
月々で支払うサブスクサービスって普通に嫌じゃないですか?
ちなみに僕は嫌です。だって毎月お金払いたくないやん。
月々支払う携帯代金でさえも、嫌気がさしてます。
僕はかなりケチな部類に入ると思ってて、大体のサブスクサービスは初回の一ヶ月無料だけ体感して、ほとんどやめます。
唯一やってるのはアマゾンプライム会員くらいですね。他は全部辞めちゃいました。
結局、コスパがあまりよくないんですよね。
そして僕だけじゃなく、仕事柄様々なB to Bのお客様にもヒアリングしてきた結果、
みんな同じです。
みんな月額お金払いたくないです。
そう、ここに心理学的に大切なポイントがあります。
サブスクを成功させるには、「月々支払うことによるお得感」が必ず必要です。
そして更に大切なことは、この「月々支払うことによるお得感」
というのは何かと比較してお得感を感じさせなければ絶対ダメです。
例えば、サブスクの代表格であるNetflixですが、
彼らのサービスの比較対象は、「自分でDVD屋に行ってビデオを一本ずつレンタルする」です。
DVD屋に行ってわざわざ一本づつ借りてお金を払うよりは、
Netflixで色んな映画を見れた方が楽だしお得だからみんなお金を払ってるわけです。
この視点に立つと、逆に失敗した事例の理由もわかります。
例えばペッパー君、月々9800円の通信費がかかります。
(その他諸々合わせると3万弱/月)
SoftBankの目論見としては、
バイト一人雇うよりは、ペッパー1台の方が安いですよ、ということでの価格設定かと思いますが、多くの購入した企業ではバイトの削減に繋がらず、解約したところが多かったですね。
逆にバイトとしてしっかり機能している企業では継続して導入しているようです。
③ハードウェアでサブスクリプションに成功しているサービス
こっからは自分自身がハードウェア屋なので、メーカーの事例をあげたいと思います。
日本メーカーで代表的なのはSONYでしょう。
aiboやプレステでハードとサービスを組み合わせたモデルを行ってます。
aiboなんかも月々2980円の費用が発生しますが、
これは本物のワンちゃんを買って毎月餌をあげたりする費用に比べたら、
まあ安いよね、ということだしいい感じの価格設定をしています。
参考:
ソニー復活を牽引、PSとアイボの絶妙「サブスク」モデルの仕組み | 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ | ダイヤモンド・オンライン
またアメリカで超人気のPelotonという自宅用エアロバイクですが、
これもハード+月々39ドルかかりますが
ジムの毎月1万円比べたら、安いよね、という感じですよね。
このようにハードウェアとサブスクサービスを組み合わせた成功事例でもそうですが、
既存の何かと比較してのお得感がなければサブスクは絶対成功しないでしょう。
④ハードウェア企業がサブスクリプションを行う上で大切にすること
最後にいくつか思ったことを。
SaaSだけでなく、ハードウェアとSaaSを組み合わせたモデルが今後のメーカーの勝ち筋の一つになってきます。
その時メーカーの我々は何を考えれば良いか。
一つ目は、ハードだけでなく、ソフトウェアによるサービス価値の比重を大きくしておくことが重要になってきます。
先ほどのPelotonはまさにそうですよね。
エアロバイクというハードはあくまでサービスの一部で、どちらかというと全員でリアルタイムに
特別な講師からエクササイズを受けられることが重要な価値です。
炊飯器なんかは釜とか圧力などハードに起因する要因がすごい大切で、
ソフトウェアでアップデートできるといえど、温度と時間くらいです。
プロダクトの比重が大きすぎると、物さえ買えば良い、で終わってしまうので、
初めからソフトウェアの価値比重を高める設計が必要です。
むしろオープンソースにしてしまって、サービスが無尽蔵に増えていくようにしても良いかと思います。
二つ目はサービスの付加価値としてコミュニティを構築すること。
特にユーザー同士で繋がりを作ることができ、それでさらに素晴らしい体験ができればサービス価値が高まります。
例えばストライダーという最近流行っている子供向けの自転車がありますが
これは商品購入後も様々なイベントを行っており、体験価値を高めているが、
これをサブスクリプション化してしまい、イベントに優先的に参加できるような権利を得ることができる、などは熱いと思います。
三つ目は、マネタイズプランを複数作ることです。
僕がお客さんと話す中で、よく言うのは、特にB to Bの場合、サブスクに厳しいですし、費用対効果に対してかなりシビアです。
ハード導入費用だけでそこそこ金がかかるのに、さらに
月額サービス費用もいるのかと。
なので、サービス部分はフリーミアムのように、無料で使える部分と有料で使える部分を分けて提供し、たまに有料サービスを無料提供し、
そこから有料サービスに誘引する戦法が有効かと思います。
ハードの場合、お客さんが初期費用をかけて導入はしているので、
チャーン(解約)はSaaSだけに比べたらされにくいかと思います。
なので、積極的に有料サービスを体験できる機会を提供し、多少プロモーション費用をかけても貪欲にアップセルを狙う戦法がいいかと思います。
ハードウェアの場合、ハードの製造費用がそこそこかかるので、ハードをばらまく戦法はアマゾンのように体力がある企業でないと難しいですし。
以上、皆さんサブスク頑張りましょう!
成長が実感できなくなってきたらを脳みそトレーニングを行うようにしよ
自分が成長している実感を得られない人は多いだろう。
そんなとき、どうしたらいいのか?
成長してる実感を得るため、目に見えるもの、
例えば資格の勉強を始めたり、
トイックのスコアをあげる勉強を始めるのはわかりやすい。
でも、この世には、目に見えるスキルと見えないスキルがある。
後者を俗に暗黙知という。そして今必要とされるスキルは暗黙知である。
コモディティしないからだ。
暗黙知のスキルを成長させたいが、これは残念ながら、非常に実感しにくい。
数値化されないからだ。
例えば、営業のプロフェッショナルが自分の営業スキルは何点ですか、と聞かれても答えられない。
その代わり、お客様と対峙する中で、瞬時に答える判断力や、
聴き心地の良い声色、顔の表情など、それら全てのトータルが営業力である。
そのスキルを鍛えよう、と思っても、それは鍛えようがない。
なぜなら実戦の中で磨かれるものだからだ。
でも日々の中でその暗黙知が成長している実感が欲しい時がある。
不安だから。
そして暗黙知に限らず、自分自身がちゃんと成長できているかが
不安になってくる。
そんな時は自分の脳みそにどれくらい負荷をかけて、
日々考えているかを指標にしたら良い。
例えば今日1日を振り返って、あ〜脳みそを使ったな〜と思えたら、
それは一つの成長であるはずだ。
逆に、脳みそを全然フル稼働しなかったな〜と思ったら、
それは良くない。
でも、何をどう考えたら良いか分からない、ということもあるかとおもう。
そんな時のために、超お手軽の「脳みそトレーニング」を思いついた。
内容は以下だ
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①やってる仕事の目的を考え直す
②目的を達成する手段を考える←多分今の仕事内容
③全然別の方法で目的を達成する手段を考える
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多分、多くの人は①をあまり深く考えずに、まず②を考えているとおもう。
でも、もう一度目的を考え直す。
この時、自分の組織だけでなく、その上位レイヤーの事業感含めた最適な目的を考える。そして目的を考え直すってめっちゃ難しい。
なぜなら事業環境次第で目的は刻一刻と変わるから。
そして、②を考えた後、今度は全然別の方法③でその目的を達成する方法を考えて見るのだ。全く別の方法で、逆側から考えてみる。そして②と③を比べて、どっちが良いかと考え直すのだ。
これだけで、脳みそをフル稼働させるトレーニングになる。
これを毎日続けたら、結構なビジネス筋肉が身につくとおもう。
まず反論に強くなる。
反論は一度その思考をした結果、こちらを選んでいるというロジックの説明だけで良いからだ。
そして、説得力が上がる。言葉に熱がこもる。その方法しかないとおもうからだ。
ぜひお試しアレ。
イチローとの思い出
イチローが引退してしまった。
引退直後はショックであまりイチローのことは考えたくなかった。
それくらいイチローは僕の精神的支柱であった。
ちなみに僕は生のイチローを一度も見たことがない。
全てテレビ画面越しのイチローである。
でもなぜか、
僕の古い記憶の一ページにイチローはしっかり刻みついている。
それは、1990年台半ばの、イチローがオリックスにいる頃、確か優勝したシーズンだと思うのだが、
彼がホームランを打って、チームメートに祝福されているシーンだ。
ベースをゆっくりと回るイチローの映像と、
そのとき親が「イチローはすごい」と言っている記憶だ。
当時幼稚園の自分がイチローという存在を認識した瞬間だった。
そのあと、確かガソリンスタンドでイチローの写真が入ったペンケースをもらった。
それがすごい嬉しかったのを覚えている。
それから学校の図書館でイチローの本を読み、彼のストイックな人間性を知った。
特に子供の頃毎日バッティングセンターに通っていたスパルタ教育を知ると、
彼への興味が強くなっていった。
次男なのに、「一郎」と名付けられ親からの期待を一身に背負う。
小学校の卒業文章でのプロになる宣言。
全てが輝いて見えた。
パワプロでも、イチローは圧倒的なパラメータで、特に肩は素晴らしく、
他の選手はノーバウンドで届かないような距離でも、
イチローならノーバウンドでホームまで届いてしまう。
イチローが打率4割に最も近づいた1999年ごろは、毎日スポーツ新聞をおじいちゃんの家で読むのが楽しみだった。
当時イチローがシーズン中に打率398まで到達したことがあり、
イチローの成績に僕は毎日一喜一憂していた。
結局4割にはいかなかったが、本当に夢の4割に届いてしまうのではないか、毎日ハラハラしていたし、そんなイチローの存在が誇らしかった。
小学校高学年になり、草野球にハマると、僕はオリックスの青色の帽子を被り、左打席に立ち、振り子打法でイチローの真似をしていた。
全然打てなかったが、それでも彼に近づいている自分の高揚感はあった。
そんな僕に、初めてイチローに会える時が来た。
それは、オープン戦だったと思う。親が野球のチケットを取ってくれたのだ。
僕は胸が高鳴った。
あのイチローに生で会える。
しかし、イチローはその試合には出てこなかった。
ちょうどメジャーに一週間の練習に行っていたのだ。
僕はショックだった。
そして一年後、イチローはメジャーに行き、僕がイチローに会えることはなくなってしまった。
彼がメジャーに行った後も、ずっとファンだった。
彼がメジャーで初めてレフト前に打ったポテンヒット。
僕はバスケ部であったが、海をこえたアメリカで結果を出し続ける
侍バッターとして誇らしかった。
2004年の年間最多安打記録を達成したとき、僕は高校生になっていた。
夏頃に一時調子を落としたイチローの様子を見て、
僕はもう年間最多安打は無理かもな、と思った。
しかし、その直後に起死回生の5打数5安打をぶち込んだイチローは、そこから息を吹き返し、伝説の記録を達成してしまう。
記録達成時の安打もイチローらしく内野安打で、その姿に感嘆した。
それから僕は大学生になり、野球とは全く違うスポーツにハマるわけだが、
それでもイチローのことは追いかけていた。
彼がWBCで打った決勝点には家族みんなで大絶叫した。
椎名林檎がイチローのために作ったスーパースターは僕の通学時のお気に入りソングだった。
Youtubeでイチローのスーパープレー集を見るのが好きだった。
イチローの格言は就活で悩む僕を励ましてくれた。
僕が年齢を重ねるに連れ、イチローの成績にも少しづつ陰りが見え始めた。
僕はなぜもっと早く移らなかったのか、不思議に感じたが、そこは彼の中のポリシーがあったのだと思う。
少しずつ出場機会が減っていた。
僕は悔しかった。なぜイチローをもっと起用してくれないのか。
彼をフル出場させたらもっと結果を出すはずだと。
でも彼はそんな中でも代打起用を続けられ、それでも数少ないチャンスを生かして頑張っていた。
代打記録の2位までなったときも、僕は本当に嬉しかった。
1位じゃなきゃ意味がない、とイチローはいうが、僕はそんなことはないと思った。
その後、イチローはマリナーズに帰って来た。しかし、2001年のようなプレーヤーとしてではなく、監督のような立場でほとんど出場する機会がないようだった。
辛かった。
でもどこか期待していた。またイチローだったら結果を出してくれる。
イチローだったら、イチローだったら、まだまだやれる。誰よりもコンディションに気を使って来た、誰よりも努力を続けて来た、誰よりも野球が好きじゃないか。
僕はイチローが本当に50歳まで野球を続けると思っていた。
多分日本に帰って来たら、もしかしたら野球を続けることができたかもしれない。
しかし、彼はこの春のキャンプの時に感じてしまったらしい。
自分のバッティングがもうできない、と。
彼が50歳まで野球を続けることは、
自分のバッティングを続けられることが必要条件であったのだと思う。
しばしば日本人はイチローをメタファーに使う。
プレフェッショナルとしてのイチロー、
一つのことを積み重ねる努力家としてのイチロー
侍としてのイチロー
僕の中のイチローは孤独なスーパースターである。
そして、かっこいい。
だから、イチローが現役でいるこの時代に生まれて本当に良かったと思うし、
彼の素晴らしいプレーで一喜一憂させてくれたことに本当に感謝している。
そして、日本中に多分僕みたいなイチローファンはたくさんいるのだと思うし、
イチローが野球を辞めることを知って本当に辛かった。
もしイチローに会える機会があるなら伝えたい、
もっと野球を続けて欲しかった
と。
そして、夢を見させてくれてありがとう。と
浅い発言しかできないと悩んでる人へ
私の知り合いの営業マンから聞いた話。
以前彼は取引先の社長と何気なく話していたら、
ちょっと話が逸れて、男女差別についての議論になったらしい
世では男女平等は当たり前であるし、ちょっとでも男尊女卑の発言をすると周囲からフルボッコにされる現代において、あろうことかその社長は、男女差別をするべきだと喝破したのだ。
その理由は
「明日戦争が起こったら、男は戦地に行かなきゃなんねええんだよ。だから男を優遇する男女差別は当たり前だ」
とのロジックを繰り広げだのだ。
この社長の発言の正しいかどうかの議論は置いとく。
僕が感じたのは、彼の主張は全くもって空虚に聞こえないし、むしろ素晴らしい自信や熱意、エネルギーを感じる。
一方、以前私の知り合いがネット系の討論番組に出演していたが、
彼の発言は喋れば喋るほど「空を切って」聞こえてしまった。
その彼が喋っていることは至極当たり前の一般論的意見が多かったのもあるし、
また有名人の言葉をそのまま自分の言葉のように使っていたのだ。
で、彼の発言は冒頭の社長と比べて、なぜ空虚に聞こえてしまったのか?と
色々と考えていたが、「言葉に温度がこもってない」
ことが原因だと思ってきた。
逆に温度をこもらせるには、二つの要素が必要である。
①目的が主張ではなく新たな解釈
②抽象的ではなく具体的
冒頭の社長の発言に戻ると、
彼が伝えたかったのは、「男性というのは軍事的リスクを常に払っており、男という存在に生まれただけで死ぬリスクが高い。だから優遇されるべきだ。」
という、今まで焦点が当てられなかった男性が背負っているリスクに目を向けさせるという、新しい解釈を与えた点だ。
そして、戦争という超リアルな具体的ワードを伝えることで、僕たちには
その主張がありありと熱を帯びるのである。
で、結局受けゆり発言は、新しい視座を与えてくれることが少ない、なぜなら、それ自体は一般的な言葉になっているケースが多く、そもそも自分の主張の補足として使われるケースが多いからだ。
よくあるのは、大前研一さんの名言である、
「人が変わるためには、時間の使い方、付き合う人、場所の三つを変えれば良い」を
使って、だから俺の主張は正しい、みたいに言う輩がいるが、これなんかは典型的な主張の補足として使うケースである。
いや、お前本当にそんなことあったの?と言いたいし、じゃあ具体的にその経験を言ってみ?といってもいえないだろう。
要するに、普段から自分なりの新しい解釈のストックを持っておくこと、
つまり持論を持つことが大切だということである。
新商品でヒットを生み出すためには怠惰な現代人の特性を抑えておけ
イノベーションとは市場の創造であるが、ある程度市場を創造した、と言えるためにはキャズムを超える必要がある。
キャズムはアーリーマジョリティ層に到達する狭間であるが、
狭間を越えるためには、
「適度に想像を裏切りながらも適度な理解をされるサービス」である必要がある。
何故ならぶっ飛んだサービスは一般人には理解されないからだ。
しかし、一般人に馴染みの深いものでありすぎても、彼らは面白みを感じてくれない。
だから、
・想定の裏切り具合
・理解しやすさ
という二つの変数を調整して、これらの掛け算が極大となるようにサービス設計をしなければならない。
しかし厄介なのは現代のマジョリティ層の感情に地殻変動が起こっているからである。
たとえば以下はわかりやすい例である
①一億総堕落社会
あらゆるサービスがスマホで完結して、めちゃめちゃみんな面倒くさがりになってきている。だから、取引コストが低いサービスであることは必須である。
②口コミ社会
情報が多すぎて、信頼できる人からの口コミが重要になってきている。
③生きがい社会
選択肢が多すぎて、人生に新たな解釈を求めている
今日、大切なことを伝えたいのだが、特に①についてである。
というのも、はじめ論じた
「想定の裏切り具合」を追求すると、何かを従来品と比べて変化させる必要がある。
たとえば、提供価値、なのかデザインなのか、ストーリーなのか、わからないが、
ことハードウェア商品では奇抜さを狙いすぎると取引コストが上がってしまう傾向がある。取引コストはその商品を扱う上でのかかる時間である。
たとえば、セグウェイなんかがわかりやすい。歩くという動作に対して、すぐ起動できるのは良いが、たとえば階段は歩くほうが断然早い。
一方ITサービスは奇抜さを狙いすぎてもそんなに取引コストは上がらないのでチャレンジしやすい。
tikitokみたいなサービスをガンガン打ち出していっても、競合は暇つぶしの時間であるし、そもそもスマホUIなのでそんなに時間はかからない。
したがって、ハード系のサービスで気をつけなければならないことは
「奇抜さを狙いすぎないことである。」
この微妙な加減を企画マンとして覚えておきたいところである。
逆に取引コストが上がらないのであれば、奇抜さを狙っていっても問題ない。