日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

全ての人は何かしらの少数者であり、その認識さえできたら人生のパフォーマンスは高まる

人間は誰しもがコンプレックスを持っており、それは普通のサラリーマンでも、

芸能界で活躍する女優でも、小学生の子供でも、何かしらの悩みを持っている。

コンプレックスを持ちたくない、という人は多いと思うし、

実際コンプレックスを持たない方法はとっても簡単である。

それは、人と自分を比較しないことだ。

 

なぜなら、多くのコンプレックスは他人との比較から生まれるからだ。

あの人よりも自分は貧しい、あの人よりも自分はブサイク、

人とのコミュニケーションが友達よりも苦手、、、

 

でも人と比較しないことは難しい。だって人間の脳みそは、社会的に弱い立場やマイノリティな人たちを批判することを快感と感じる機能が備わっているし、

その快感機能を満足させようと、常に五感が様々な情報を集めてしまうからだ。

 

 

そしてこのコンプレックスは、それ自体がマイノリティであればあるほど、

より強い悲しみを感じてしまう。私だけみんなと全然違う、という感覚だろうか。

例えば、人前でのプレゼン苦手意識を持つ人は、普通の日本企業ではプレゼンが得意な人の方が少ないから、そこまで強いコンプレックスを感じないが、アメリカの自分発信大好き社会においてはより強くコンプレックスを感じるかもしれない。

 

また、例えば体に障害を抱える人は、障害者施設だけで暮らしているならそんなにコンプレックスを感じないが、健常者の多い実社会では非常にコンプレックスを感じてしまうだろう。

 

そもそもなぜ少数者であることが強くコンプレックスに感じてしまうかというと、

それは古くから少数者は批判の対象であったからだ。

過去、人間社会は家族があり、そこから村、そして町、都市、国、とどんどん

コミュニティを広げ、安定した社会を作り、お互いがお互いを支えあうことで

発展し、生存してきた。

そこで人間を効率的に生存させるためには、できれば皆が同じ性質、属性である方がコミュニティ運営は統率が取れてうまく機能し、生存確率は高まった。

一方で、そのコミュニティに明らかに周囲と違う人間、例えば残虐な人間やサボりぐせのある人間、一人で勝手に行動する人間がいたら、コミュニティの運営がうまくいかないので、そんな人間は排除する必要がある。

だから、人間の脳はそういう人間を批判し排除しやすいように進化した、つまり、

そう言う人間を批判し排除することに快感を感じるように設計されてしまった。

 

で、この脳の特性はもちろん現代の人類にも引き継がれており、

芸能人の不倫や企業の少し目だった行為でネットはすぐ炎上し、TVニュースは連日放送を繰り返す。

弱い人を叩く行為は最高に快感であるため、多くの人が辞められないのだ。

 

ところが、これまでの批判は目に見えてわかりやすいマイノリティな人を叩いていた。

むしろわかりやすいマイノリティで良かったのだ。

なぜなら生存確率に大きく影響を与えるのはわかりやすいマイノリティであったからだ。

 

しかし、最近、ネット社会により批判対象となるマイノリティレベルが

かなり細かくなっている傾向がある。

 

例えば、勤務時間中にお弁当を買い出していた職員が厳格処分されたり、

ある歌手の歌のタイトルが軍歌、だと言われたり、

そこまで酷いですか?と言う内容に対する批判が増えてる傾向がある。

 

でもこれは人間の脳にとっては普通のことである。

例えば家電市場も一昔前の画一的なニーズと比べ、現代は多様な属性の人たちの様々な特殊ニーズによってニーズが細分化されている。

同じく人の批判も同じようにどんどん際限を知らず拡大していくものなのだ。

 

でもちょっと待ってくれ、これが進むと、何が起こるのか、そう、あらゆる人が批判対象になってしまうではないか。

なぜなら全ての人間は何かしらの少数者であるからだ。

めちゃめちゃ足が臭い人、もみあげの長さが左右違う人、特殊な趣味を持つ人、

インドア派でもなくアウトドア派でもない中間な人、子育ては好きだけれども社会でも活躍したい女性、

 

みんな何かしらの点で少数者であり、

それは自分の誇れる個性でもある。

そして最近聞く「好きなことを仕事にしろ」と言うのも、この自分の個性を生かした特殊な市場を作り上げることで、これは社会的によしとされている。

でも、社会の批判のエントロピーは際限なく増え続ける。

 

この相矛盾する傾向が重なる社会において我々に求められることはなんなのか?

それは、「自分も何かしらの少数者であること」を認識することだ。

 

そしてその事実をしっかり見据え、それは強さにも弱さにもなることを感じること。

 

そうすると、

コンプレックスを感じることが社会のマジョリティを認識することにつながるし、

人と比べてしまうことは自分の強さを探すことにも繋がるし、

自分も少数者であることが認識できたら、人を批判する気持ちもなくなってくる。

 

たったこんなことだけど、こんなことが日々の意識を変えて、行動を高めて、

価値ある人生に変化させることができると、個人的に思うわけですよ。

 

だいぶ文章重めですが、今日はこんなところで。

 

人間が最後やることはコミュニケーションしか残らないんじゃないのかという仮説

あらゆるものが自動化され、日々の労働から解放され、

ロボットが料理を作ってくれて、

ヘルステックで最高の健康状態が毎日キープできて、

AIが日々の生活のチューニングと効率的な生活のレコメンドをし続けてくれたら、

僕たちは何をしたら良いの?

 

そう、コミュニケーションだよ。

人と話して、お互いを理解して、お互いの考えや感動を共有すれば良い。

それが人類が残された最後のやることだと思う。

 

コミュニケーションは

 

・知ってる人×リアル:これまでの出会い

・知らない人×リアル:出会い系

・知ってる人×バーチャル:SNS

・知らない人×バーチャル:出会い系、2ch

 

で分けるとすると、これから需要が高まるのは間違いなく、

知らない人×リアル

ですね。圧倒的にここの出会いエンジンは現代において不足している。

コミュニケーションを渇望する人間が行き着く先は、

リアルの人恋しさと偶発性の価値であり、

一体どんな人と出会えるのか、どんな体験を初めての人と共有できるのか、

というニーズが地盤沈下のごとく人々の中に発生し出す。

 

そうなるとどうなる?

そう、リアル店舗の時代到来です。

今アマゾンなどEコマースに駆逐されているリアル店舗の価値が再認識され、

その場所、インテリア空間、テーブル、通路、照明、食器、メニュー表、

あらゆるものが出会いの価値を高めるために進化して行き、それらが二人の話題を盛り上げる誘発剤となり、二人の本音を話しやすくするドラッグとなり、

ムードを最高潮に持って行くカンフル剤へとなって行く。

 

そこがリアル店舗の再開発時代到来。

 

それまでリアル店舗は諦めずにしぶとく生き延びて欲しい、必ず時代はやってくる。

 

日本の就活は戦略的思考と営業スキルを高める絶好の機会

新卒一括採用という歪んだ制度に不満を抱える就活生諸君、

マインドセットをタイトルのように変えるべきです。

 

日本の雇用体系が崩壊しない限り新卒一括採用も変わらない仕組みなので、

面接というゲームに不満をたれるより、この事実に真っ向から向き合い

むしろ自分を磨く機会と思って楽しんで欲しい。と思うわけですよ。うむ。

 

エントリーシートは戦略思考の入り口、面接は対面営業スキル

まず就活をやっている人たちに言いたいのは、企業は学生というハイリスク商品を購入している、という事実です。

しかも、37年契約という圧倒的不利な立場で契約をかわされるわけですよ。

さらにパッケージに入った商品の説明書を読むしかできず、その機能を問ういくつかの質問ができるだけで、実際にその商品を使い心地を試せるわけでもなく、

途中で不具合が出たり壊れたりしても、捨てることもできず、金を払い続けるという不利な契約を結ばれるわけです。

契約内容は毎月払いの毎年無条件利息、プラス年2回のボーナス出費に加え、場所代や机、定期大、多大な諸経費合わせて、トータル5億円〜というでかい買い物をしているわけだ。

 

だいたい企業で売り上げ1000億、営業利益5%の会社で50億としても上記の五億円は、君らのバイト感覚でいうと、毎月8万円ちょっとの自由に金が使える状態において(20万/月稼いでそん中から生活費が60%)総額12万円の38年ローンという

ようわからん商品を何個も、時には何十個も超短期間で購入する必要がある、しかも毎年、という異常性を感じて欲しい。

 

で、企業人事の採用担当というのは、世界中のチームに対して、自分たちが買った商品を届ける売人のわけですよ。

 だからクソみたいな商品を届けたら総スカン食らうから必死なんよね。

で、じゃあ今年はどんな商品買うか、と考えて、とはいえ全国の店舗一点一点回って商品なんか選んでられないか、とりあえず金使って募集するわけよね。

 

するとそこにいろんな商品が集まってきて、どこどこのブランドで、どんな場所で作られて、こんな特性があるよ〜とか色んなのが集まってくるんやけど、

この商品のカタログがESというわけやな。で、いちいちカタログ見てられないから、ぱっと見で全部判断します。

で、学歴は、この商品のブランドのわけですよ。東大、早慶はポルシェやダイソン

みたいな一流ブランドのわけよね。

で採用する側からしたら、安心したブランド買う方が信頼感あるし、

仮に失敗しても上司から怒られないわけよ、だからまずは学歴を見ちゃうわけよ、

こういう現実を把握しておきましょうね。

 

で、この商品をたとえばギターとして考えてみると、 

カタログを読んでちょっと興味あるギターを、次店頭いって試し弾きしてみよかな〜

というのが次の面接なわけですよ。

でもね、店頭で商品を選べる時間はめっちゃ短いから、とりあえず、

何かの音を引いてみるわけですよ、オーソドックスなコードを鳴らして見たり、ちょっとしたソロを引いて見たり、これはまあ面接でいう質問なわけよね。

 

「学生時代頑張ったことはなんですか?」とか「あなたの強みはなんですか」とか、

ひたすらメジャーコードを弾きまくって、いろんなギター触ってみて、

どれかを選ぶんやけど、選び方のバランスが大事なわけですよ。

そりゃあ、エッジのきいためちゃめちゃメタルな音出すギターばっかりだったら、チームから叱られるから、それこそクラシックはいけるやつ、とか、

あまり特徴はないけどどんな楽曲も合わせられるとか、

この曲だけではめちゃめちゃいい音でるな、みたいな様々なギターを選んどいたら、まあなんだかんだそれが適材適所に配置されて、チームはうまく行くわけですな。

だから学生諸君はこの悩める売人という採用官の背景やメカニズムをしっかり把握しておきましょう。

 

②ギター側からの戦略的思考

この事実に対して、どうやって自分を売人に選んでもらえるか。

ここで、戦略的思考の出番です。戦略的思考とは、「目的を達成するための最良な方法を自分の限られたリソースから判断する」ことのわけですよね。

となると、この場合の目的は、「自分という商品を買ってもらう」、つまり採用してもらうことが目的です。

で、採用をしてもらうために、どのように攻めるか、ここが戦略的思考の最も大切なところです。

人事がどのような背景やメカニズムで意思決定をしているか、そしてカタログを眺めるわずか一分間で、自分という楽器が最も気持ちよく音が鳴ると伝えるために、

どんな見せ方をしたら良いか、ここを死ぬ気で考えるのが戦略的な思考の入り口です。

 

人事の背景や課題を理解すると、どんな音を鳴らすべきか見えてきます。

でもそれは案外その会社の社員から直接聞いてみたら色々わかると思います。

聞き方は、たとえばある程度事業感がある、商品企画や経営企画の社員十人くらいに、御社の課題三つ教えてくれ、と言えば何となく見えてくると思います。

くれぐれもHPなんかを参考にしないように。

 

で、彼らの背景や課題を理解すると、

じゃあ自分というギターはどんな産地でどんな音が出て、どんな環境下でも音がブレなくて、どんな人が引いたら綺麗な音がなる、と売人が喜ぶか、ということを考えて説明、つまりESに落とし込むわけですよ。

ここで、大切なことは、嘘を着くのではなく、「それに見合う部分を自分の中から切り取る」ことなんよね。

就活生はここで、いや本来とは違う自分をPRして嘘を着くのはいやだ、とかいうんだけど、自分を客観視するのって結構難しいから、そもそもその自分の自分に対する見方や理解自体が間違っている可能性が高いし、

人のいいところはたくさん存在してて、自分はこういう人間だからと割り切らず、

そのいいところをしっかり見極めて伝える、というマインドを持つことが大切なニョン。

しかしこの時あまりにも自分の価値観から外れていることを書くと

買ってもらった後、後悔することになるから、自分の価値観からブレない範囲で自分の最大の強みをクリティカルに売人が求めることにフィットさせて行くこと、これがまさに思考の要です。

 

つまりESを考えて書くことは戦略的思考を磨く絶好な機会のわけですよん

 

③面接という営業スキルの磨きどころ

見事ESが通ったら、はい、面接、つまり自分の対面セールス、営業の時間です。

面接ってやっぱり大切なんですよ。人に話し、自分の伝えるべきこと、魅力を伝えること。これはどんな業種でも、どんな市場に出ても必要です。

 

この時売人は実際の店舗に行って試し演奏を行います。

わずか十分間で自分の魅力を最大限に伝えるわけですよ。

 

ここで優秀な営業マンとそうでない営業マンを考えてみましょう。

ダメな営業は自分の商品の悪いところを伝えるのがうまく、良いところを伝えるのが下手くそです。またちょっと質問されても戸惑ったり、他社製品よりも優れた理由を言えなかったり、そんな感じ。

一方で、優秀な営業マンは、商品の魅力を伝えるのがうまいです。

またダメな部分を突っ込まれても、「確かにそういう面もあるが、実際に使って見たらほとんど気になりませんよ」という言葉をあらかじめ準備していたり、他の製品より優れた理由をスラスラ語ることができる。

優秀な営業マンとダメな営業マンは圧倒的。

つまり、就活でもできる学生は、自分の魅力を伝えるのがうまく、他の学生より何が優れており、ダメな部分はどんなカバーリングができるか、などを事前に準備していつ質問されても答えるようにしているだけです。

この姿勢や受け答えだけでもちろんその人物の本質はわからないし、

一緒に働いても全然使えないかもしれない。

しかし、自分をしっかり魅力的に伝えるスキルは、営業スキルの素地でもあり、

それをしっかり準備することだけでも仕事スキルの向上につながっているわけです。

 

 

 

だから就活を単なる一過性の出来事として、受験勉強みたいに終わった瞬間全て忘れる詰め込み式の勉強みたいにせずに、一生使えるスキルを身につえる、という意気込みで行うべきだと思うのですよ。

 

 

ちなみに外資系ではインターンが主流で、一緒に働いて使えるかどうかを判断し、

採用を決定するのが普通です。

そりゃ買った後で使えない商品だどわかったらいやですよね、クーリングオフもすぐできないし、つまり非常に合理的な判断なわけですよ。

そしてこうなると全然戦略が変わってくるよね。そもそもの戦略の目的が「一緒に働く中で有能さをアピールすること」に変化しますからね。

ただし、日本は面接という「おもちゃの箱に入った商品」を買う仕組みでしかなく、

その商品を遊んでみて購入するかも決められない社会のわけなんで、それはしょうがない。っていうことです。

 

 

以上、つらつら書いてきましたが、学生諸君は就活というゲームを

戦略的思考と営業スキルを鍛える絶好の機会だというマインドセットで楽しんで取り組んでみてください。この二つは、企画を行うとき、営業を行うとき、起業した時、

投資家になったとき、あらゆる側面で必要になるスキルです。

 

 

人生で無駄な経験がないように人生で無駄なアドバイスはない

自分の好きなことや得意なことを仕事にしろ

会社が嫌ならやめてしまえ

 

など会社や組織に属さずに、自分の人生を生きろ、という甘美なフレーズを最近目にする機会が増えた。別に人それぞれの人生だからどう生きるかは個人の選択の自由であり、全く問題ないのだが、ちょっと胸糞悪いのは

年もいかない若造が受けたこの業務は自分に向いていないから仕事辞めた、とか、

会社の上司と気が合わない、など、浅い経験値の分際で仕事を選り好みしたり、すぐに仕事を辞めたこと自体を評価するような空気感である。

また、長年会社に勤めている人の意見は時代遅れだから聞かなくて良い

など、長年勤め人でいることを冷笑する空気があることも嫌いである。

 

 

僕の個人的な経験として、どんな人であろうと人から言われたアドバイスは素直に受け止める、それをした方が人生は圧倒的に豊かになると感じている。

最近先輩、上司から苦言を呈されたり、ご指導を受けることがめっきり減ってしまった。

入手6年目だからそれはそれで当たり前だし、当時はこいつら細かいこと言いおってから、うっとおしいなと思っていたが、いくつかは非常に大切な進言を言ってくれた人もいる。

 

そして、当時はその意味がわからなかったり、一見自分の知識を露呈したいだけのアドバイスもあったりしたが、そこでそれを否定せず、素直に受け入れることでそれが自分の強みになった場合もあった。

 

ところでアドバイスには概ね以下の軸で考えられる。

 

①愛があるアドバイスか、愛がないアドバイス

②言われた本人が有益と感じるか、有益と感じないか

 

そもそも愛がないアドバイスはメンタルがやられない範囲で聞けば良い。

愛があり、自分が有益となるアドバイスはどんどん聞けば良い。

 

問題は、愛はあるが、自分がそれを有益と感じないアドバイスの場合だ。

 

この時、こいつうざいな、と思って有益と感じず適当に流すことは最ももったいない行為だ。

 

なぜなら有益かどうかは、言われた本人の視点や経験、その人に対する好き嫌いで人間は決めてしまうものだからだ。

 

大体の場合において上司の方が自分より幅広い経験が多く、そのアドバイスを伝える「目的」が必ずある。

しかし、若い頃はこの目的まで頭が働かず、上司もそれをいちいち伝えないので、短絡的に言葉のみを捉え、アドバイスを浪費してしまうのだ。

ここでは、まず素直にアドバイスを受け入れて、その上司のアドバイスの真の目的をとらえる必要がある。

 

例えば、過去自分は商品企画を行う中、「このネジ一本の価格がいくらか、瞬間的に答えられるようになれ」とある先輩に言われ、そんなん開発の仕事で企画の俺が把握しなくてもええやん、と思いつつ、素直に聞き入れていた。

それから様々な部品の原価を頭に叩き入れて、組み立て費用や物流費、はたまた間接費など、原価全体を把握することが好きになり、いつしか工場との価格交渉や、ギリギリの価格設計を狙った販売価格など、原価を通じた仕事は自分の強みとなった。

 

昔から自分は戦略や抽象的な思考が得意で、ネジ一本の原価なんか俺が把握する必要がない、と思っていたら、そのあとの実務ベースでリーダーシップを持って工場や開発を率いて仕事ができなかったし、原価を詰めて、より適した価格で市場投入することもできなかったかもしれない、つまり、当時の「ネジ一本の原価を把握しろ」というアドバイスは、商品企画として工場と価格交渉スキルを持つことや、リーダーとしてチームを引っ張る武器となることだったと今になってはわかるが、当時はそれをわからなかった。

なぜこんなことを話すかというと、以下の記事で、自分の強みにフィットするアドバイスを見極めろ、と言う内容があったが、自分からしたらいやいや、まずは自分の強み云々考えずに、フラットに受け入れてみたらと思ったからだ。

 

forbesjapan.com

 

もしかしたらこちらの記事の上司は、この方の企画スキルを見抜いており、企画として実行力や現場オペレーションを把握した方がより実現性のある精度の高い企画を打ち出せる、と考えた上で、イベントの細かな手順や必要な機器類、価格構成を把握していくことが、ゆくゆくは企画者として大きく成長するための必要な能力だと思い、この方にアドバイスをした可能性があるからだ。

もちろんこの方は入社当時は素直に聞いていたと思いし、今振り返るとそう言えるわけだが、個人の狭い経験で判断するのはもったいないじゃん、と言う話。

だから、自分の狭い価値観でアドバイスを浪費してしまうんではなく、

まずは素直に受け止めて全てのアドバイスを自分の強みにできるよう努力してみるのもありじゃないか、と思った次第である。

つまりこのマインドセットを持つことが物事をフラットにみることに繋がり、

それが自分の戦う場所を素直に見極める判断の一助になると言うこと。

 

 

 

自分が普段使う思考まとめ

自分の強みはできる限り言語化できないほうが人に模倣されずに固有のポジションを築ける。一方たまにこれらを整理して言語化しておくと、体系的に理解でき、今後の伸ばすべき方向性が見えることもある。

 

例えば幼い子供に

リーダーとは?

ときくと、

「一番前の列にいる人」と答えるが、

ビジネスマンに聞くリーダーは、全く違う答えが返ってくる。

言語化できなければ、そもそもそれを腹落ちして理解しておらす、逆に言語化できるということはそれを自分の血肉(スキル)として扱えるということである。

言語化を通じて次のステップに進む課題が見えてくるし、本質的に自分が理解しているかの振り返りにもなる。

 

そこでそのような思考の整理を含めて

自分が普段行う思考を以下にまとめてみた。

 

①何かしらの新しいアイディアを創出するとき

(1)抽象化

ある具体的な事象や現象の本質を抽出し、それを別事業領域に持って行ったり、

他の問題解決に適用したりすること。

わかりやすい例で言うと、フォードの大量生産組立ラインは肉の精製プロセスを見て思いついたらしいがあの思考。

抽象化する部分は、ビジネスモデルだったりユーザー価値であったり、テクノロジーであったり様々。

自分はよくモノづくりの最先端商品の事例を、ローテク商品に活用したりする。

ちなみにできる限り遠い分野であるほどイノベーション率は高まる。

 


(2)トリックスター

 ブレストの時、あえてふざけた方向に持っていき、思考を発散させること。

例えば、

 その事実が避けられないものと考えるとどうなるか?

 それを映画に例えると?

 それとそれを組み合わせてみたら?

など問いかけると、突拍子もない話が出てきて、面白い。どちらかと言うとアイスブレイクにもなるし、その人の本音が出やすい思考に持っていくのがポイント

 

 
(3)制約列挙

 アイディアを出す時、そのアイディアの必要条件を考え、強制発想を行なう。

 制約条件は市場環境やターゲット、事業部の状況にもよって変わる。よくあるのは、自社の強みを生かせる条件を踏まえた上で考えたり。

 自分はよく机上で制約条件だけ考えて、そこからランニングに出かけて、

ランニングを行いながらアイディアを考えると閃きやすい。

 


(4)組み合わせ

よくアイディアは何かと何かの組み合わせという。それの思考。

プロダクトの発想はよくこれ使う。

頭の中を適度な情報で満腹にさせ、うまく脳みそをミキサーにかけるところがポイント。ミキサーはランニングか自転車こいでる最中が生まれやすい。

最近は夢の中でよくアイディアが生まれてくる。

 

 

(5)構造化とシフト

 今の世の中のアイディアを二軸で分類し、誰も検討していない象限の

 アイディアを強制発想。未だこれでいいアイディアが考えられた試しがないが発散には繋がる笑

 

 

②市場分析を行うとき


(1)メカニズム 

市場変化の原理を見極める。たとえば企業買収が盛んに行われている業界なら

その原因を20年くらいの業界の長期推移や単価推移、競合の数、技術変化などから

推察し、今後の起こりうる業界変化や価値筋までを見極める思考

 

 (2)ベクトル構築

 市場動向は今後どの方向にどれくらいのスピードで進むのかをを考える。

  (1)のメカニズムを分析した後、時系列での推測を加える

ちなみにリーダーは自社の進むべき方角と速さを明確にすることだよ〜

 


(3)比較

ある事象とそれに本質が近い全く別次元領域の現象を比較し、その別次元の領域を活用したアイディアを創出したり、課題解決のヒントを得る思考。

比較は時系列と組み合わせると破壊力がアップする。

同業界の企業業績を時系列で比較するだけでも色々見えてくる

 

 

③会話を盛り上げようとするとき
(1)記憶の取り出しと発展

相手が話しているアイディアに対して、そのアイディアを肯定する、もしくは違う観点で考えてみては?と言う時に活用する。

過去の記憶ストックから自分が説明したい根拠のファクトを具体例で説明して、それらの具体的事例から考えるとこうだと思うよ、と説明すること。

ポイントは、いかに関連した過去の記憶を高速で発見できるかであるが、

これはそのファクト(情報源)を見た時に、何が言えるか?をセットにして考えておくと良い。なぜかと言うと、自分が言いたいことをまずは考えて、その後それに紐付いたファクトを取ってくる脳の思考プロセスになるが、それに紐付いてファクトが蘇ってくるから。


(2)前提抽出
その議論の前提になっていることを抽出し、その前提で会話を行う、もしくは前提を変えたら議論はどう変わるかを考察する

 


(3)主張と論点

ある自分、もしくは人の主張に対して、それを支える根拠、論点を考える。

ロジックツリーともいうし、芋づる式根拠的なもの。

論点はMECEが基本のため、抜け漏れがあるかをすぐ判断し、その点をつく、もしくは根拠を探し出す


(4)ボックス分類

 様々なニュースや日常目にしたものを思考のボックスに保存しておき、いつでも取り出せるようにしておく。

ボックスは、カテゴリー別、かつボックス内の箱は、小カテゴリーに分かれており、

何かを記憶するときは箱に入れて保存しておく。そうしておくと、議論の時も箱から取り出して説明したり、主張できるのでロジカルに聞こえる

 

(5)ファクトと考えを分類する

相手が言っていることが事実なのか、相手の考え・考察なのかを分類する。

事実は大切にするが、相手の考えという場合は話半分で聞く場合が多い。

逆に自分はそうならないように気をつけている

 

 

④事業性を考える時
(1)数字化

とにかく数字で考える。

フェルミ推定などを使いざっくりした市場感を把握したり、全然儲からへんやんと、アイディアを切り捨てたりするときにつかう。


(2)リアルシーンの抽出と問題提起

 本当にその事業やアイディアが世の中に出たと仮定したときに、どんな人がどんなシーンでどんな動機でなにを思い、何の費用を削って、いくらでその商品を買うのかを徹底的にリアルに頭で趣味レーションしてみる。時には村上春樹風の小説を書いてみたりして、購入ストーリーに違和感はないかを考える。

これを行うと抜けているスキームや本当に買ってくれそうか、などが事細かにわかるので良い。

 

(3)時系列トレース

そのサービスを使い人の行動を過去から未来の時間軸で考えて見たり、

問題を時系列で分析して見たりする。

抜け漏れがなくなったり、問題点が見つけやすいので思考ではよく使う。


(4)帰納法 ワットだずいっとオールミーん

まとめていうと何だい?

プレゼン資料の一番上に書く言葉であったり、

言いたいことをまとめる時であったり、市場分析して結果何が言えるのか、を論じるときに使う。

コツは、少し飛躍させること。でも飛躍させすぎたらイミフになるので、その中間くらいを狙えるような抽象思考が大切。

 

 

⑤プレゼン前
(1)反論

 相手が上げてくるであろう反論を列挙し、それに対する回答を考える。ポイントは

 「〜だと思います」と言わないようにファクトを揃えておくこと。


(2)相手目線トレース

プレゼン前に相手がこの議題に対して何を知っていて、何を求めているか、また相手の関心度などから説明手順を並べ替える


(3)システム1の意識解析

自分が直感で判断したり、意識したり考えたりしてしまったことを振り返り、バイアスや直近の情報に惑わされていないかを考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結構色々あったな。

そのうちまた付け足しておこう。

でもこれらは自分が本を読んだりして感銘を受けた人の考えをパクったりそれをベースに少し味付けしてるだけだから、クソみたいな思考であり、もっと自分ならではを磨き続ける必要があるな〜と感じるね。

 

ビジネス筋一覧

瞬発力

反論に対して、瞬間的に理路整然としたロジックで反論すること。

もしくは短い時間で高い集中力を発揮して、相手の求めることや期待値を理解し、客観的情報と自分固有の体験から導き出した洞察、考察より生み出された濃ゆい思考、発言をすること

 

 

持久力

苦しい長期プロジェクトでも弱音を吐かずに、営業、開発から罵声を浴びさせられ、上司から無理難題なタスクを振られながらも、精神を保ち、目の前の問題における課題を一つづず抽出し続け、乗り越える筋肉

 

跳躍力

世の中の現象、トレンド、変わらない事実、普遍的なの価値観を一つずつ積み上げ、それらの抽象化から導かれる事象の更に一段上の構想を考え、会社として目指すべき大きなビジョンを描いてチームメンバーにWAO!を与える

 

敏捷力

相手の表情や発言から相手の奥の機敏な感情を読み取り、相手が喜ぶ発言を述べながら権力者の理解を得ることで、自分の企画を進める力

チャンスを発見したら迅速に動き、仕事を発見して持ってくる力

 

体幹

 企画に対する批判や反論を機関銃のごとく食らっても、一つづつ丁寧に受け止め、回答し、しかし自分の企画の背骨はブレずに推し進める力

 

動体視力

高速で移り変わる時代環境でも本質や原理を見極め、適切な戦う場所を見極める力

 

柔軟性

時代の変化に合わせて戦略を柔軟に変化できる力、また自分の初期の企画に固執せず、ユーザーの意見に合わせて柔軟に企画を変化させるマインドセット 

 

握力

一回取ってきた仕事は死んでも話さない執念力

 

体力

全ての根源となる筋肉。

普段の情報のインプット量が広く、かつ適度な深さを持つスキル

 

脚力

フットワークが軽く、新たな情報や有識者を自ら掴みに行くことができ、また大切なタイミングで運を運んでくる人に出会うことができる

 

 

 

 

プレゼンテーションの隠れたコツ

今日はそこそこ大事なプレゼンだった。

自分の考えた事業計画を別部署の取締役に説明した。

結果的にはゴーサインを頂き、第一関門は突破したが、何となく不満が残った。

 

そう、あの取締役の親父を感動させることができなかったのだ。

目に涙を浮かべプルプルしながら、嗚咽を漏らし、鼻水を垂らしながら、

「是非、是非やりましょう、一緒に世界を変えましょぅぅぅうううう」

とはならなかったのだ。

 

「うん、いいよね、君の事業計画の方がスケーラビリティーがありそうだね♪」

で終わってしまった。

うむ、これは問題だ。一体どうやったら人は感動するのだ、何故そこそこで終わってしまったのか、そんなことを考えていたが、

そもそも人ってどんな時に感動するのか、もっというとどんなことに心を動かされるのか、

と考えたいたら、とある本のこのフレーズを思い出した。

 

「全ての人は笑う前に驚いている」

 

そう、人の喜怒哀楽の前には必ず、驚きがあり、それが喜怒哀楽のトリガーの一つになる。例えば、自分の誕生日に彼女がサプライズのプレゼントを準備していてくれてたら、そこには驚き→喜びがある。

また、幼い息子が父のために絵を書いてきてくれたら、そこにも驚き→感動がある。

死に際の主人公が病床のベットで力つきる直前に放つ冗談、

母が自分の学費工面のために実は寝る間も惜しんで働いてくれてたという事実

ラストの試合で実は怪我をしていたが、誰にも伝えず、痛みに苦しみながらも走りきったスプリンター、それを試合後に知った観衆の感動

 

全て驚きが存在している。

つまりプレゼンで感動させるためには、驚きのトリガーが必要であり、それの巧みな設計がいるわけだ。

 

ではその驚くトリガーを作るには?また、それはどのようなタイミングでどんな感情の揺さぶりを仕掛けるために設計したら良いのか?と考えたくなる。

 

たとえば企画の内容自体で驚きを作るのか、それはダメだ。企画の内容が驚くほど斬新であればあるほど普通の人は拒否反応を起こしてしまう。

 

では声の抑揚、表情の変化など外的な部分で驚きを作って見るか、それも違う。

 

 

で、個人的に最もクリティカルな驚きは、

その企画によってユーザー体験がどう変わるのか、ユーザーにどんな幸せをお届けできるのかのその具体的なexperienceに驚きがあると、感動にかわり、それが共感になる。これが最もシンプルであり強力である。

そして、このユーザー体験の変化に驚きのテクニックを盛り込むことが重要となる。

そういえば今日の自分のプレゼンもユーザー体験は普通の起承転結のストーリーであり、そこに驚きの設計を入れることができていなかった。

 

たとえば、よくある子育ての忙しいお母さんの時短を手助けする商品で、

お母さんは普段こんな不満を持ってて困っていました。しかし、この商品を使ってみたら、お母さんにはこんなハッピーが起こりました。子供とお母さんの関係はこんなハッピーになりました。という提供価値の商品があるとする。

 

これに驚きを持たせるためにはどうしたら良いか、たとえば全て子供目線での話にしてみるのだ。

子供が、お母さんが毎日忙しくそれに寂しさを感じており、その寂しさを紛らわすために、一人でずっと河原に通っていた(そこはお母さんとの思い出の場所)

しかし、お母さんがとある商品と出会うことで、時短に成功し、結果的に子供は河原に通う必要はなくなった。

 

文字にしたらよくわからないかもしれないが映像にしたら全く違うものになるであろうし、おそらく企画の説明の際のユーザー価値の部分でも前者と違った印象を与えられるのではなかろうか。本来のお母さん向けの商品をあえて子供視点で語ることによって、その価値を母だけでなく、母が最も愛する子供にとってどんだけ素晴らしいことなのか、という説明が驚きになっているのだ。

つまりちょっとしたユーザー価値の説明部分に聞き手の脳に驚きを与えられる説明を入れ込むことが良い。

脳という部分ではその業界の固定観念や常識をちょっと上回るような驚きがよく、それは自分で様々な人に説明をしながら、良いexperienceの説明を探していくしかないが、

その心構えが重要である。

できればリアリティーがしっかり伝わるように、ゆっくりはっきりと喋りながら、その人の頭に思い浮かんでる描写を思い描きながら、説明を入れる。

それだけで聞き手の感動を生み出せちゃうし、企画マンであるならばそこまで含めた企画設計が不可欠であろう。

 

他にも企画を思いついた原体験の説明をすることだけで驚きを誘発できることもあるし、

その企画の仮説検証でこんなたくさんのお客さんを訪問したぜよ、という熱意のファクトでも驚きを作ることができる。その驚きの設計がより優れたプレゼンに昇華させるコツであると感じるわけだ。

 

ただユーザー提供価値の部分で驚きを構築しておくのは万人に有効なので、それを追求することは企画自体のブラッシュアップにも繋がるので、ぜひ取り組んでいただきたい。

 

とこんなことを書きながらも自分も最後読み手の方に驚きかせる文章が書きないか考えていたが何も思いつかなかったので、まだまだ自分も未熟である。精進あるのみ

 

 

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