岡本太郎 自分の運命に楯を突け
激烈で、ストレートな表現で、僕たちの心の声をえぐってくる芸術家、
僕はかれをそのように形容したい。
そんな岡本太郎のメッセージを多数込めた本書。
本書の大切なメッセージである
「孤独に対してどう向き合うか?」
ということを岡本太郎なりの表現方法で明確につつってくれている。
まず結論から言ってしまうと
「孤独から逃げるな、孤独と向き合え、そしてその孤独を感じている自分さえも愛すること、それを生命の活力に変えること」
これがまさに岡本太郎の生き方であり、彼の中での伝えたいメッセージなのであったと思う。
人間が孤独を感じるのは、どのような状態が多いのか、それは普段満たされている状態の方が孤独を感じやすいという。
それは結婚していても友達がいても、親や肉親がいても変わらない。本質的に人間は孤独なのである。
でも、そんな自分さえも愛してみてもいいんじゃないのか、そんな自分を真に受け止めて生きていくこと、それが素晴らしいのではないか、それが人間の生きる道なのではないか、そんな岡本太郎の想いがが伝わってくる気がする。
一方自分はどうか、
普段孤独であると感じる瞬間はあまりない。
むしろ、孤独に対して鈍感な方であると思う。
その理由は、おそらく本質的に自分が幸せであるからだと思う。
自分の人間関係の極意は本音である。気を遣わずに、自分が本音で生きる。
全ての人に好かれる必要はなく、自分が付き合いたい人間と付き合う。これが世の中をシンプルに生きる方法であり、幸せに生きる方法であると思う。
しかし、これからの人生、自分は非常に孤独であると感じる瞬間も多く来ると思う。
そのときは、
さみしくて、
つらくて、
死にたくなる
ような感覚を持つときがくるだろう。
孤独の中で、自分をふと見つめる瞬間に、この岡本太郎の言葉をぼくは思いだしたい。
「孤独と向き合え、そして孤独である自分さえも愛せ」
☆☆☆
最後の本書を読んで印象的だった言葉を記しておきたい
「一番面白い人生とは苦しい人生に挑み、闘い、そして素晴らしく耐えること、逆境であればあるほど、面白い人生なんだ」
「自分がほんとうに生きるとはどういうことなんだろう。ってことを社会の枠とかパターンにとらわれずに徹底的にかなえてみたらどうだい」
「孤独を純粋につらぬけばつらぬくほど、それは魅力になる。その過程では他とぶつかりあうだろうが、それを恐れて引っ込んだり、ごまかしてしまってはだめだ。孤独をつらぬく人間は、この世の中で珍しい存在だ。孤独感を持つ人間はたくさんいるが、本当の意味で孤独をつらぬく人間はなかなかいるものじゃない。本当の孤独とはすべてに妥協しないで、自分をつらぬいていくこと。そうすることで、その姿勢が相手にしみこんでいく。」