日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

【新サービスを考える上での焦点】自分が訪問した場所を共有できるSNS

SNSもニーズが細分化してきたのか、様々なサービスが立ち上がりつつある。

例えば、恋愛マッチングサービス「ペアーズ」の派生系として、

自分の好きな料理を選んでいき、その好みが合う人同士をマッチングさせるサービスなんかもある。

さらにその料理の中でもピザに特化したマッチングサービスがあったり。

今のSNSのトレンドは、既存サービスのカテゴリーを細分化、もしくはずらしていき、その尖り具合が差別化ポイントになってきているようだ。

 

今回は、そんな流れに乗りながらも一味違うSNSを紹介したい。

 

www.glintter.com

 

イギリスで立ち上がったGlintterというサービス、これは「自分のオススメの場所」を共有するSNSだ。

自分が訪れた素晴らしい景色の観光地や、美味しいレストラン、行きつけのジムなどをアドレスブックに保存できる。保存情報は自分が見返せるだけでなく、友人とも情報がシェアがさせるので、仲の良い友人のオススメ場所を知ることができるのだ。

 

また、検索機能もあるため、例えば自分が大阪出張の時に、検索で「大阪」を

入力すると、大阪中における友人のオススメ場所を知ることができるのだ。

それを見て、夜ご飯の串カツ屋を決めても良いし、空き時間にオススメの美術館なんかに行っても良い。

 

友人の口コミ情報なので情報としては信頼できるし、次にその友人に会った時の話題にもなる。友人も中途半端な店なり場所を保存していたら、自分の信頼が疑われるので、

真剣にオススメポイントを選ぶはずだ。

また、たくさんオススメ店を共有しておけば、自分の店に行ってもらう確率が高まるし、その店に行ってもらうほど承認欲求が満たされる。

そのあたり設計も巧みであると感じた。

 

個人的にこのサービスの最も大切なポイントは、リアルな場において何気ない楽しいツールとして使えるところだと思う。

例えば、自分と友達とで、共通の友人Sがオススメしている場所を順に調べて行くだけでも、「あいつこんな高い店行っているのか!?」とか「意外に多趣味なんだね」みたいにSの話で盛り上がること間違い無いだろう。

 

昨今、無償の楽しいサービスはスマホを開けば腐るほどあるし、ユーザーが複数のサービスを同時に使いながら過ごすのは当たり前になってきてて、そうなると如何に自分達のサービスを買ってもらうか、よりもそのサービスを使ってもらう時間を伸ばすことの方が重要となる。(導入してもらっても使ってもらわなければ意味がないしね)

過ごしてもらう時間が長いほど、そのサービスに対するエンゲージメントが高まり、顧客により大きな価値を提供できるからだ。

 

そう考えると、ただ一人自分で使うだけでなく、人と共有するアイテムとして使ってもらうことがユーザーの時間シェアを高める上での大切な焦点となる。そこにリアルな人とのコミュニケーションや楽しさが生まれ、インセンティブになるからだ。

 

そのいい例が「みてね」というサービスだ。

mitene.us

これは家族の写真共有アプリだが、僕の両親はいっつも孫の写真を二人で楽しみながら眺めているという。あーだこーだ言いながら。

これは孫の成長を知ることができるだけでなく、夫婦二人で楽しむ時間というものも同時に作り出しているのだ。

 

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スマートフォンが広まり、モバイルサービスが増えてきたことで一人でスマホを眺めているだけで、一日中時間を潰せる時代だ。

でも本当にそれが幸せなのか?スマホに一日中かじりついてしまうと、

本来最も大切である人と会話をしたり、体験を共有する時間というものに億劫になってくる。

その危うさに薄々気づいてきた人、そして、その彼らの潜在的な不満を解消できるようなサービスによって、「あ、やっぱり人と過ごす時間っていいな」と、そんなきっかけ作りができるサービスがこれから花開く時代になる。