商業施設が生き残るために必要なことVol2
商業施設(及びショッピング)の本質的な価値は二つあるかと思います。
①買い物体験:欲しいものを発見する宝探し的要素
②コミュニケーション体験:友達とだべったりイベントを見たり遊んだり、そこで過ごすことに意味が生じる体験・・・
ただし今はこの二つって恐ろしいビジネスモンスターの脅威に晒されていますよね。
①はTikTokなどに代表される興味EC。
興味ECは自分の趣味趣向をAIが解析して、勝手にどんどん配信してくれるECです。
従来のアマゾンのような効率的、合理的に買い物ができるECは陳列EC。
陳列ECはどうしても買い物の楽しさがないよね、ということでしたが、
この興味ECはオンライン買い物体験に「発見」の楽しさを加えてしまいました。
例えるなら、自分の好きな商品ばかり紹介してくれるジャパネット高田より面白い
販売員、みたいな人たちがTikTokにはわんさかいるわけです。
ぶっちゃけこの興味ECはVRショッピングの比ではないくらいやばい。本当にリアル店舗の買い物の良さを根こそぎ抜き去ってしまうくらいかなと思います。
②NetFlixやオンラインゲーム
商業施設の価値は確かに若い頃、誰もが感じていたと思います。
彼女とイオンモールでデートして映画を見たことある人ならわかりますよね?
そういったコミュニケーションやイベントの価値は商業施設に確かにありました。
でも、今や家でそれ以上の体験が余裕でできちゃいます。
NetFlixなんかもそうですし、オンラインゲームやらライブ配信やら、友達と自分の好きなバンドのライブ配信を見ながら、リアルタイムでコミュニケーションなんかも取れます。
そういった体験が今後無限大に増えていくと、ますます商業施設であそぼ〜的な価値が激減していきます。
ではどうしたらよろしいでしょうか?
戦い方はいくつかありますが、生き残るためには、以下に変遷していけばいいのです。
①コンテンツプロデューサーになる。
メッセージを研ぎ澄まし、お客様の来店した瞬間の心を考え、感動を生み出すお店作りを行う。いわば映画監督が巧みに観客の心理を誘導するような、そんなコンテンツメッセージのプロデューサー業務が商業施設には必要になります。それこそ、各テナントのコンセプトを考えるところからサポートするようなそんなところが必要です。
②ビジネスモデル改革
今までのテナントの売り上げに対する歩合収入では一生成長できません。
なぜなら、テナントの売り上げがリアルに紐付いている時点で終わっているからです。
だから、テナントがWEB販売やライブコマースなどを積極的に打ち出せない状態になっています。オンラインとオフライン両方で販売するテナントを積極的に増やし、テナントの価値を売り上げに置くのではなく、全く違う指標で価値の見える化をしていけば良いです。
一つはインプレッション、どれくらいのビューがリアル店舗で獲得できたか。
もしくは全く新しい指標を作ればいいかと思います。
最近は顧客の笑顔の情報も取れますので、入店した顧客のどれくらい笑顔が得られたかは、
はリアルに良い指標だと思っています。
③データマネジメント
今でも会員カードが存在していますが、特典ポイントに興味を持ってくれる時代は終わりました。
特典ポイントより、オンラインを起点にした顧客価値提供が必要です。
シンプルですが、オンラインから購入して、商品を現地で受け取ることができる、など。
で、こっからが大事ですが、可能な限りの顧客のプロフィールデータを取得し、
最大限マーケティングに活用すべきです。
これもいたずらにメールを送るのではなく、例えば、
商圏の人口動態に対して、会員の地域別人口を比較し、会員が少ない地域の客を増やすために、どうすれば良いか?などを日々のマーケテイング活動に紐付けます。
④あと難しいけど、運営意思決定を行うプレイヤーを減らす
一緒に仕事をしていた、商業施設の運営マネジメントの人にある提案をしました。
その担当者は乗り気だったのですが、社内決裁を取るために、8社から承認を得る必要があると聞いた時たまげましたね。
商業施設の規模がでかいと、それこそ鉄道会社から、ディベロッパーなど、様々なプレイヤーが介入していて、意思決定が総花的になりがちです。
結局私の提案も通りませんでしたし、、これはちょっと恨みですが。。
結論としては、商業施設はもっとシナリオ力を磨いたほうが良いかな、ということです。
以下は昔書いた記事です。これもう3年前か、色々やばいな、、、