日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

新入社員は絶対できない「目的思考」を身につけると、人生が180度変わる

新人の社員に、

「入社して高めるべきスキルはどんなものが必要ですか?」

 

と聞かれたら、目的思考、と答えるようにしている。

 

なぜなら目的思考は仕事の成果を高める劇薬であり、

人生のベースにもなるスキルだからだ。

 

目的思考がない人間は、

上官に突撃と言われて、銃を片手に訳もわからずただ突っ込み即死する歩兵である。

視座は低く、打ち手も場当たり的であり、何度もぶつかり血を流すわりに対して成果が出せない体力勝負の世界である。

 

他方、目的思考がある人は、

突撃する前に戦地全体を眺めて、上官の意図を理解した上で、攻撃を考えられる権利を持てる。

つまり、しっかりと輪郭を理解した上で、

長期的な視野に立った上で、クリティカルかつ適切な打ち手を行うことができる。

 

以下、目的思考がどのように仕事の成果につながるか、一例をお伝えする。

 

 

 

①目的思考で仕事のアウトプットが変わる。

例えば上司に

「担当商品のお客様説明用の資料を作って」と言われた時に、

 

目的思考がない人は、とりあえず過去のお客様に出した説明資料をつぎはぎして、それっぽい資料を出すだろう。で、上司の意図と違う成果物になることで手直しが発生するだけなく、こいつ何も考えてね〜使えねえ〜と上司に思われる。

要はなぜその資料が必要かという目的を理解せずに行動するとこうなる。

 

目的思考がある人は、上司にその目的を明確に確認することで、付加価値を作ることができる。

たとえばその目的が、

とあるベンチャー企業との業務提携を検討しており、

その際に自社の紹介商材の一例として、新商品を紹介する。

となった場合は、

そのベンチャー企業の戦略やプロダクトを調べて、自社との提携スキーム案を検討した上で、

担当商品を紹介することで、ベンチャー企業にとって自社の魅力伝達に役立つか、という観点で情報をまとめ、上司に提出を行うだろう。

 

②目的思考でルールを疑う力が身につく

例えば、ある商品仕様を設計する上で、とある構造に対して、

品質が絶対だめ、と言ったとしよう。

なぜ?と問うと、

「それは社内のルールだからです」

 

では、社内のルールは何のために作ったのか?

これが目的思考ができる人の考え方だ。

 

そのルールを調べていくうちに、

なぜそのルールが作られたのか、そしてどのようなことを懸念されているのか、

が理解できると、

その懸念事項を回避する、特別ルールを設定し、今回の構造は成立できるような話ができてくるかもしれない。

 

 

③目的思考で時間管理力が高まる

スケジューリングも目的思考の塊である。

その1時間を何を目的に過ごすのか。

例えばある業界の情報を調べる。

しかし、その情報をただのインプットを目的にするのは質が低い。

友達に明日話してみよう、と目的を変えるだけで、大幅にインプットの仕方が、変わる。

 

④目的思考でマーケティング力が高まる。

店舗のスタッフとして、飲食店の売り上げアップを考えるとしよう。

その時、多くの人は

お店のメニューの値段を下げよう、とかバリエーションを増やそう、とか

手段に終始してしまう。

しかし、目的思考の人は、なぜそのユーザーが店舗にやってくるのか、というユーザーの目的を深く考える思考ができる。

そうすると、そもそものブランド認知を変えよう、とか

違った発想が出てくる。

 

また、お店のキャッチコピーなんかも目的思考が問われるいい例だ。

たとえば、アパレルショップで季節商品を販売するときも

・目的思考ができない人は、「10%半額セール」

・目的思考ができる人は、

 「芸術の秋!秋の可愛い着こなしで美術館デートに行こう。」

などのようにユーザー体験を意識したキャッチコピーが打てる。

 

 

 

 

⑤目的思考で交渉力が高まる

相手の目的を理解することで、コミュニケーションの目的も変わる。

交渉も基本的には、どこまでお互いが譲歩をするカードを出し合うかのゲームである。

自分たちの交渉で獲得しうるギリギリのラインを見定める、そして相手のラインも見定めることで、余裕を持った交渉が可能になる。

 

 

 

 

 

 

以上、いくつか挙げさせていただいたが、

この目的思考の良い点は、基本的には自分次第でいかようにも目的を設定できるのである。

目的の設定次第で、あらゆる仕事の成果を高めることができる、ひいては日々の行動も変えることができる、ことなのである。

 

そしてその心持ちを新人時代から身につけておくだけで、

10年後に大きな差が生まれることは間違いない。