映画の脚本家が様々なビジネスを立ち上げて、社会的な影響力を持つ時代が、
これから必ずきます。
なぜなら映画とは物語だからです。
そして、ビジネスも物語です。
今のビジネスは映画で例えるなら、MARS ATACKでしょう(古!笑笑)
火星からの侵略者から地球を守るため、仲間達と武器を持って戦い、勝つ。
企業も同じです。ビジョンを掲げて、
武器という名の商品やサービスを準備する。
ともに武器を持ち、ビジョン達成に挑む仲間たちはCustomer お客様です。
たとえばTESLAが行なっているのは同じことでしょう。
環境破壊を防ぐ、というビジョンに賛同したお客様がModel3という武器で、
一緒に戦っているのです。
そして今回僕が注目したのが、冒頭にあげた映画の脚本家です。
彼らは観客の感情をコントロールするプロです。
お客様の心を掴みビジョンに扇動するには、
彼らの仕事を理解することが非常に重要であり、
他の人よりも頭一つ抜きん出られるはずです。
今回、 映画脚本家のバイブルである、
「ハリウッド式 人を感動させる物語の創り方 The STORY」という本を読みました。
この本、ずっと読みたかったのですが、数年前はなかなか入手できなくて困ってましたが、
今回新たに刷新されて販売されたらしく、即購入して読みました。
そこには驚くほど、我々の仕事に通づる重要な概念が書いてありました。
非常に難しいですが、
あえて一つに絞るなら、以下の内容が最も意味深かったでしょう。
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優れた作品は反応に重きを置く。どんなストーリーでも、行動の多くはある程度予想されたものである。優れた脚本家は「何が」起きるかではなく、それが「誰に」起きるのか、「なぜ」「どのようにして」起きるかが重点がおかれる。
実際最も豊かで満足のいく喜びを与えてくれるのは、どんな反応が生じるか、どんな洞察が得られるかを重視するストーリーである。
<中略>予想と結果のギャップがストーリーの本質である。ストーリーのエネルギーの源は何か、その答えもやはりギャップである。
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これは商品やサービスも一緒で、
映画でいう「何が起こったか」つまり、
商品では「どんな機能があるか」はあまり重要ではなく、
その商品がどんな状況で、なぜ、どんなタイミングで利用されるか、
そこがすげえ大切になってくるってことです。
全ての登場人物が産まれてから現在まで何があったかを年表にしてから、脚本制作に取り掛かると言われています。
これはその人物に何かが起こった時に、どんな反応をするか、そこがドラマの本質だと氏も理解しているからでしょう。
友人に助けられた時に素直に喜ぶのか、余計なことしやがってと捨て台詞を吐くのか、
それはその本人が生きてきた背景次第です。
面白い映画かドラマかを分けるのはそこだと思ってます。
(そういう意味で最近のドラマが面白くないのはここの背景までをしっかり作り込んでいないからだと思ってます。)
そして、その反応の連続で、観客は感情が動きます。
登場人物たちに共感しつつ、自分たちの期待通りに進まない時に感情が揺れ動きます。
脚本家は巧みにこの感情をコントロールするテクニックを扱っています。
あなたたちが見てきて感動した映画、ドラマは全て、脚本家の掌で転がされているのです。
すごいよね、こんなことを狙って彼らはやっているのです。
彼らは効果現象の法則を常に意識しています。
ストーリーはポジティブ、ネガティブな感情を交互に力強く生みださなければならず、
効果現象の法則とは、同じことを経験すればするほど、その効果は薄れるということです。
戦争で、人の死に直面すればするほど、それに慣れていってしまうのと同じです。
何が言いたいかと言うと、
僕たちが考えるサービスもそのサービス自体の中身ももちろん大切ですが、、
そのサービスを使うユーザーが、
・どんな人で(どんな生活を送ってきたのか)
・なぜ
・どのようなきっかけでそれを使ってどんな感情的変化を作り上げるか
そのユースケースを徹底的に練りあげることが、
心を動かすサービスに繋がることだと思ってます。
その映画のストーリーのようなユースケースを知ってもらうことで、
お客様は共感し、感情が揺れ動くからです。
ここをコントロールして設計できる人たちがビジネスを生み出せるようになってきます。
多くの企業がこれに気づき動き始めてますし、
最近だとメルカリはこの辺りのストーリー構築がうまいと思ってます。
ザストーリー、ぜひマーケテイング力を高めたい人にはオススメです。