日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

子供に読ませる絵本に困ったら、世界の絵本児童文学図鑑がおすすめ

最近、2歳になる子供の絵本をよく図書館に借りに行くのだが、

色々な絵本を読んであげてるうちに、もっとすんばらしい絵本を

読ませてあげたい心が芽生えてしまった。

 

冒険しない人生は退屈だということを君に伝えたい。

命は儚いという現実の残酷さと、その残酷な現実を受け入れて強く生きていくしかないことを伝えたい。

世界は広く、自分の可能性は無限大だと伝えたい。

そんなことに気付ける絵本を君に読ませたいのよ。僕は。

 

ということで、自分が手に取ったのは世界の絵本・児童文学図鑑である。

 

世界の絵本・児童文学図鑑は文字通り、世界中の名作と呼ばれる絵本を何と1001冊も

集めた図鑑で、鈍器になりそうなレベルの分厚さなのだが、めちゃくちゃ面白い。

エルマーの大冒険、ハリーポッターアンデルセンゲゲゲの鬼太郎

など、誰もが一度は目にした名作はもちろん、

その時代に影響を与えた作品や、

生きる意味を考えさせられる作品が多数掲載されている。

 

その名作が生まれた背景や作者の生い立ちが簡潔にまとめられているし、

将来子供たちに読ませたい本をリストアップすることができた。

 

そんな中、僕の興味を惹いたのはピーターパンの説明である。

子供のころから知っているこの名作は、なぜ歴史の中で色あせなかったのか?

 

1906年に出版されたピーターパン。

作者はJ M バリ。

彼は当時ピーターパン以外にも様々なヒット作を出している。

しかし、彼のヒット作の中でも、現代まで色あせずに残っているのは

ピーターパンだけである

 

ピーターパンは、ネバーランドに住む永遠に年を取らない無垢な少年ピーターパンと

現実世界の年齢を重ねることに恐怖を感じる少女ウェンディーの対比である。

 

ちなみに作者のJMバリは子供のころ、兄を亡くしている。

亡くなった兄はバリの中で永遠に子供のままだった。

バリはもしかしたら、自分が成長するにつれ、

永遠に子供のままの無垢な兄に羨ましさを感じながらも、

年を取ることができなかった兄への悲哀を感じたのだろう。

誰もが年齢を重ねることは怖い、しかし、年齢を重ねることで見える幸せもある。

その相反する2面性を表現したのがピーターパンという作品だったのかもしれない。

 

物語は浮かれた調子で進むが、その背景には、

だれもが抱く成熟に対する大きな不安がテーマとなっている。

バリの生い立ちから生まれたこの強烈なテーマ性は不変であり、

現代の人たちにも人気があるゆえんであろう。

 

子供に絵本を読ます親として、

絵本の役割を考えることは永遠のテーマだ。

 

何のために僕たちは子供に絵本を読むのか。

詩人&子供の本の賞を受けたマイケルローゼンの言葉を借りると絵本の意味が分かる。

「子供の本とは子供向けのものというより、

 むしろ子供の世界と大人の世界の間の詰め物だと考えている。」

「二つの世界の間の詰め物を、大人たちは様々な理由で再訪したがる。その決して小さくない理由の一つは、それが、一見不変のように見える子供時代の一つの特質へと、帰ってゆくみちだからということだ」

 

非常に洞察に満ちた言葉だと思った。

つまり絵本とは、

子供にとっては、大人の世界という広い世界を覗けるものであり、

大人にとっても、子供時代という理想時代に一瞬戻れるタイムマシンなのだ。

つまり絵本という手段を通じて、現実から理想世界へワープしているのだ。

絵本の役割は、消費者を理想の世界に近づける

僕たち家電の商品企画マンがやっていることと同じであった。

 

子供に読ませる絵本は年齢と共に変わるだろう。

そんな年齢に合わせて、子供たちの世界をちょっと広げてあげられる、

大人たちの世界に招くそんな絵本をこれから探して読ませたいと思うし、

僕もたまには子供の世界に帰れる作品を探したい。

 

 

 

最後に大人も楽しめそうな絵本を以下に貼っておくので、是非一読あれ。

 

かぼちゃスープ

かぼちゃスープ

 

 

 

ビロードうさぎ

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どんなにきみがすきだかあててごらん (児童図書館・絵本の部屋)

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