日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

ビジネスマンがアートを学ぶ必要はありますか?と尋ねられたらドヤ顔で答えよう

最近よく聞く言葉、アート。

特にNewsPicksやら、山口周さんやらZOZO前澤さんのおかげで、アートがビジネス文脈で語られることが増えてきました。

 

しかしだね、そもそも発想が逆なのだよ。

ビジネスの文脈でアートが語られること自体がナンセンスである。

 

なぜなら、古来よりビジネスはアートから派生してきたからだ。

例えばキーボードはピアノの鍵盤を活用して文字入力を行うという発想から産まれたし、アパレル販売という概念も綺麗に見える紫色の染色から派生した。 アートはビジネスにおいて元々必要条件である。

今の腑抜けた「ビジネスアート論」を例えるなら、

イノブタとイノシシってなんか似てません?

と言っちゃてることと同等である。

 

 

ビジネスは常にアートの思想で考えなければならない、という隠れた前提の世において、

改めてビジネスマンがアートを学ぶべき理由を考えてみました。

 

 

目次

①What's Art?

②アートとビジネスの共通点

③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル

 

 

 

 

①What's Art?

まず、アートという言葉の定義ですが、「芸術品」ですよね。

例えばゴッホの有名な「ひまわり」は芸術品で、紛れもなくアートです。

オークションなんかで取引されているものはほとんどがアート作品だと思います。

 

これらって抽象的に考えると、何なのでしょうか?

例えば、贅沢品というものかもしれません。

合理性の反対で情緒的、感性的なものかもしれません。

気持ちを幸せにするもの、手触り感、希少性、唯一無二、

所有していることで自尊心を満たすもの?

などなど。

 

 

今あげた言葉に、かなりアートの意味が凝縮されていると思います、つまり

「価値が個人の解釈に依存」するということです。

 

 

前澤さんにとってバスキアの絵は50億かもしれませんが、

僕にとっては4000円の価値しかないかもしれません。

 

アートは、人によって大きく評価が異なります。

一方、アート作品の対極に位置するものほど、人によっての評価は変わりません。

例えば「たわし」なんて誰がどう見てもただのたわしです。

 

つまり、アートはアートと人の間に「解釈」というスペースがあるため、

大きく価値が異なるわけです。

  

 

 

②アートとビジネスの共通点

お客様が「合理性」だけで商品を購入する時代は終わりました。

家電製品をその合理的な機能性だけでなく、デザインや可愛さで選ぶようになったのは古い話です。

多少高くても、自分が気に入ったものはお金を払いたい。

そして、この「気に入る」という行為は、まさに個人の「解釈」次第です。

今後この傾向がますます強くなります。

つまり、全ての商品やサービスがアート化して行く可能性が高いです。

 

しかし、ビジネスアートで大切なことは前澤さんみたいな超大金持ち一人に支持されたらいいというわけではなく、世の中の多くの人たちに、少なくとも1万人や10万人に

支持される必要があります。

じゃないとビジネスが成り立たないからです。

 

でも皆さんお気づきかと思いますが、

「個人の解釈に依存する価値」を創造するとともに、「この世の中の多くの人たちに支持される 」という二つは矛盾してますよね?

ニッチ戦略のくせに、マーケットシェアは高く維持しろ、と。

 

しかし、この相反することを成り立たせるためには武器が必要です。

 

その武器とは「ビジョン」です。

 

 

③アーティストとビジネスマンに通ずるスキル 

ちょっと話は変わりますが、アーティストが行なっていることは何なのか考えてみると、

彼らが行なっていることは二つあります。

解釈と創作です。

彼らは作品を通じて、世界に何かを訴えます。

例えば、

・中東の戦争の悲惨さを伝えたい:解釈

・悲惨な状況を伝える絵を描く:創作

 

 

この解釈は、自分が実現したい世界観があり、それを伝える手段として

創作活動があると考えます。

 

で、このプロセスはまさにビジネスマンの商品企画プロセスに通ずるものがあります。

詳しくは以下に書きましたが「ビジョン」を駆使して、企画コンセプトを練り上げる手法です。

 

 

taitaitai.hatenadiary.jp

 

この

「ビジョンを考える=自分の解釈を世界に伝える」 行為、

ここにアートの所以があり、

ビジネスマンがアートを学ぶべき理由があるのだと思います。

 

だから、僕たちがアートを見聞きし、感じるときは、

そのアーティスト達が何を感じ、どういう解釈を施したのか、

そしてそれをどのようにパッケージングしたのかを深く考えることこそ、

最も価値ある時間となることだと思います。