新商品でヒットを生み出すためには怠惰な現代人の特性を抑えておけ
イノベーションとは市場の創造であるが、ある程度市場を創造した、と言えるためにはキャズムを超える必要がある。
キャズムはアーリーマジョリティ層に到達する狭間であるが、
狭間を越えるためには、
「適度に想像を裏切りながらも適度な理解をされるサービス」である必要がある。
何故ならぶっ飛んだサービスは一般人には理解されないからだ。
しかし、一般人に馴染みの深いものでありすぎても、彼らは面白みを感じてくれない。
だから、
・想定の裏切り具合
・理解しやすさ
という二つの変数を調整して、これらの掛け算が極大となるようにサービス設計をしなければならない。
しかし厄介なのは現代のマジョリティ層の感情に地殻変動が起こっているからである。
たとえば以下はわかりやすい例である
①一億総堕落社会
あらゆるサービスがスマホで完結して、めちゃめちゃみんな面倒くさがりになってきている。だから、取引コストが低いサービスであることは必須である。
②口コミ社会
情報が多すぎて、信頼できる人からの口コミが重要になってきている。
③生きがい社会
選択肢が多すぎて、人生に新たな解釈を求めている
今日、大切なことを伝えたいのだが、特に①についてである。
というのも、はじめ論じた
「想定の裏切り具合」を追求すると、何かを従来品と比べて変化させる必要がある。
たとえば、提供価値、なのかデザインなのか、ストーリーなのか、わからないが、
ことハードウェア商品では奇抜さを狙いすぎると取引コストが上がってしまう傾向がある。取引コストはその商品を扱う上でのかかる時間である。
たとえば、セグウェイなんかがわかりやすい。歩くという動作に対して、すぐ起動できるのは良いが、たとえば階段は歩くほうが断然早い。
一方ITサービスは奇抜さを狙いすぎてもそんなに取引コストは上がらないのでチャレンジしやすい。
tikitokみたいなサービスをガンガン打ち出していっても、競合は暇つぶしの時間であるし、そもそもスマホUIなのでそんなに時間はかからない。
したがって、ハード系のサービスで気をつけなければならないことは
「奇抜さを狙いすぎないことである。」
この微妙な加減を企画マンとして覚えておきたいところである。
逆に取引コストが上がらないのであれば、奇抜さを狙っていっても問題ない。