大企業でハードウェアのリーンスタートアップを行うために必要なこと
どうも明けましておめでとうございます。
現在、ハードウエアの新事業立ち上げ真っ盛りなので、
今自分が手探り状態で進めている「大企業での新事業立ち上げの話」をしたいと思います。
エリックリースのリーンスタートアップを読んでいて、毎回思うのが、
事例がITサービスばっかりやん!!ということです。
まず、ハードウェアの新事業においてあまりITサービスの事例は参考になりません。なぜかというとKPIが違うからです。
ITサービスは導入コストが非常に安い反面、ユーザーの離脱率が高いため、
いかにそのサービスが使い続けてもらうかというリピート率やDAU,MAUが大切になってきます。なのでとりあえず出して、お客さんに使ってもらいながら改善するという手法が使えるのですが、
一方ハードウェアは基本導入コストが高く、一回買ってもらえばそれなりに使ってもらえるため、なんだかんだいかに買ってもらうかが勝負です。
ただしサービスをぶち上げるための金型投資なんかも結構かかってしまったり、
一番難しいのはサービスのスケール性をできる限りやすく、お手軽に判断するのが難しいです。
なので、今の自分がやってるB to B向けのハードウェアサービスをベースに説明したいと思います。
1、アイディアを形にする段階
まずは本当にしょぼくても良いので、MVPを作るところからスタートします。
ハードウェアはパワポ資料では全く伝わりません。
まずは本当にしょぼくても良いので、何かしらの形にしてみることが重要です。
ここで「お金がない」という文句を言うのはやめましょう。
今は3Dプリンターが使えるコワーキングスペースなんて腐る程ありますし、ハード系の会社に務めている人なら社内のコネで形にしてくれる人を見つけたりとなんでもできます。
そして、このMVPを眺めながら大切なこと、それは
自分の心の声
を聞くことです。
不思議なことに感じます。めっちゃいい!
もっとこうしたい、つまらない、やる気なくなっちゃった。
ここは改善した方が良い、ここはこうした方が良い、など色々と感じるところがあるはずです。
その心の声を聞いたら再度プロダクトを自分なりに改善して、できる限り自分で納得できるものを作ってみます。
2、エクストリームユーザーの生の声を聞く
プロトタイプができたら、自分の商品を気に入ってくれるお客様を見つけるところが重要です。ここで社内の人間に聞いてはダメです。なぜなら新しいものであればあるほど、誰も良いとは言ってくれませんし、ダサいプロトを見て誰も良いとはいってくれないでしょう。
お客さんの声を聞きに行きましょう、その中で感度の高いお客さんは確実にいて、
その人は不完全でぎこちないプロトにも、その最終品の姿を脳に描き、
現実世界で使われている様子を頭の中で再現してくれて、いいじゃん、と言ってくれる人がどこかにいます。
ここでの目標は実証実験に協力してくれる企業を探すことです。
この企業を捕まえたと言う事実が大切です。
3、実証実験のスタート
さあ、ついにあなたのプロダクトを気に入ってくれ、実証実験に付き合ってくれる企業やお店が発見できました。ここでは社内を説得して、とにかく金を集めて実験に耐えられる試作機を作ってしまいましょう。
数百万レベルなら、偉いおっさんのポケットマニーでいけるかもしれません。
誰か強力な上位者の味方を引き込んでおく必要があります。
ここでできれば実験先からはお金を払ってもらって実験をしたいところですが、強気な態度は正直難しいと思いますので、まずは無料で良いかと思います。
4、マネタイズについて議論
さて、無事実験が終わり、ある程度期待通りの成果も出ました。
この結果を受けて、実験をしてもらった企業にお金の話をする必要があります。
ズバリ、「いくら払ってなら継続的に使って見たいですか?と。」
ここは逃げずにどストライクに突っ込んで行きましょう。
ある程度この時点では、事業計画を作っておき、どの金額なら事業が回るか、と言うことを裏でしっかり考えておく必要があります。
ここがひとつの分水嶺。ここで全くもって箸にも棒にもかからない価格を提案されたり、向こうがいらないと言う顔をしたら事業撤退のサインです。諦めましょう。
ただし向こうの回答した価格がある程度いけそうな価格なら、脈ありです。
5、スケール性についての議論
大企業で間違いなく出てくるのが事業のスケール性です。
有力キーマンへのヒアリングや展示会の出展でさらにいろんなお客さんにヒアリングを聞きます。この声を集めてうまくスケール性を判断するベースの情報を集めて行きます。
ただしスケール性を判断するのは非常に難しいです。
なぜかと言うと、いくら言葉で集めてもお客さんが
・本当に買うかわからない。
からです。
これを打開する方法は二つあります。
一つは濱口秀志氏が提案するβ100という方法です。こちらはネットを調べたら書いているのですが、簡単にいうと、簡易な実販売所を作って、そこにお客さんを招いて、
買うか、買わないかを100人に聞くというものです。
その人数からシェアを割り出して、事業のスケール性を判断するというものです。
これはいいと思うのですが、実際に難しいのはお客さんを100人よんでくることです。
二つめは、地域を絞って商品販売を仕掛けることです。
例えば東京の渋谷区限定とか。
この地域限定でどの程度のシェアを達成できそうかを試算し、それを全国展開として試算したときに事業のスケール性を判断すべきかと思います。
とまあ自分の事業は今この事業のスケール性の判断段階ですので、ここまでしか自分が体感したことは語れません。
次は実際に商品発売をしてどうやって事業をスケールして行くか、もありますし、
初期ロットの販売台数や投資金額はどうしたか?なども難しい判断をしいられます。
またいずれ論じたいと思います。では。