パレートの法則を意識し続けることは新事業開発にも多いに活用できる
パレートの法則は理解していたが、それを使いこなすまでにはずっと至っていなかった。
でも入社4年目の頃、仕事でミスが立て続けに起こしていた当時の自分が、
たまたま受けた品質研修で、
「品質問題の80%は数ある原因の中でも実際には20%原因に起因している」と聞いて
衝撃を受けた。
まじか、じゃあ僕のミスの80%も諸悪の何か共通原因があって、
それを解決したら大幅にミス減るんじゃない??
と思い、自分の仕事のミスを書き出し、まとめ、それらの原因を分析してみた。
すると、何パターンかに分けられたのだが、そのほとんどは「計画性を持っていなかったこと」が原因であったことに気づいた。
それ以来事前に計画立てて、先の展開を予測して仕事を行うことで
ミスを激減することに成功した。
あれから数年たち、改めてパレートの法則を様々な行為や日常に活用できるため、
便利な反面、パレートの法則を過信しては行けない部分もあると感じている。
なぜなら、パレートの法則はあくまで80点を効率的に取る理論である。
最小限の努力で最大限の成果を出す方法と言っても過言ではない。
しかし、だからこそなのだが
100点満点を取るための理論ではない。
例えば、コンペのプレゼンテーションを行う場合。
もちろんプレゼンの最重要点は、全体の20%もない。5%くらいか。
ただ、それだけでのプレゼンではただの結論だけを伝えるプレゼンであり、
導入のストーリーや伝え方、紙の質までこだわって相手が100%満足してもらえる企画になるはずである。
あとは勉強。書籍なんかでも筆者が最も伝えたいのは1ページ分しかないとも言われる。
ただその最も伝えたい内容を伝えるために、世の中の変化や様々なバックデータを駆使して、それを補足している。
その最も伝えたい部分だけを理解することは、大切であるが、それだけを見つけて終わりというのは勉強の仕方として勿体無い。
読書とは、筆者の主張の背景にあるロジックや因果関係を読み解いて
その妥当性や革新性を自分の中で感じ、理解することが読書である。
パレートの法則を意識しすぎて読書を行うと、表層的な暗記読書でしかなくなる。
つまり、パレートの法則は、その行為に対する目的設定の置き方で
実践するかどうかを自分で考えて活用しなければならない。
事業開発を行う中で、パレートの法則は結構有効だと感じる。
例えば、新事業開発では、何を持って事業性があるかを説明するのは難しい。
理想はテストマーケでこんな結果が出たら事業としてはスケールするので、ゴーしましょう。という風に持って行けたら良いが、そんな簡単にことが進むケースはない。
しかし、色々と考えていく中で、「あ、これが検証できたら事業としては80%くらいは成り立つ可能性を立証できる情報になるかも」
ということが明確になることがある。これを見極めるのはまさにパレートの法則ではないが、このコアを見つけようとする姿勢、思考、これはまさに最小限の努力で最大の成果を発見することである。
だから事業開発では、この事業のコアは何か?を考え続けることが大切であり、
普段からパレート思考を身につけておくとそんな考え方がすんなりできるのではないかと思う次第である。