日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

モノとコトの違いを考えるときはそもそも論を考えろ

みなさんお疲れ様です。

 

今日は今更感半端ないが、「モノ」と「コト」の違いについて語りたい。

 

というのも、遅ればせながら、最近うちの会社でもやっとコト発想という言葉が聞こえ始めたからだ。

正直だいぶ遅い

 

だって、

今の時代はモノ発想じゃ売れない、コト発想だ!

であったり、「コト消費」なんて言葉が新聞で舞ったり、

コトコトコトコトかれこれ10年くらい言われている気がする。

 

うちの会社は典型的なモノ発想の企業であり、最近やっとモノ発想はやめてコト発想で企画をしよう!など言っているが、正直言葉だけ上滑りしている感が否めない。

 

社長は社長で「最近はいろんな人にモノとコトの違いを聞いて回っていますが、なかなか明確な回答をしてくれる人は少ないんですよ〜」なんて言っている。

 

僕がこのようなモノコト論議に対して違和感を覚えるのは、モノとコトの違いばかりに話がいき、そもそも何のためにモノとコトの違いを考える必要があるのか?という大切な目的がすっぽり抜けているためだ。

 

よくある日本人の、しっかり定義を明確にして勉強してから取り組みましょうの、

定義の正確さばかりを頑張って精査し、手段と目的が入れ替わってしまった悪い例の

典型だと感じている。

 

そこで、まずはそもそも論に立ち返ってみたい。

 

①そもそもなぜ我々は「モノ」と「コト」の違いについて考えるのか?

このものこと議論を誰が言い出したか知らないが、ここ最近の家電メーカーのスペック競争の様子から、「お前らユーザーのこと全然考えてませんやん」と、言っている。

つまり、日本の家電メーカー企画マンたちを全体的にディスっているのである。

そして、そもそも論的には「コト発想で企画を考えて売上を伸ばすためだ」というわけだが、このコト発想で企画を考えて売上を伸ばすというのは非常に難易度が高く、厳密にいうと、

「コト発想で考えた企画が消費者に刺さり、かつそれが世の中で新しいものである」とう条件を満たさなければ売上は一気に拡大しない(よほど急速に成長している市場なら別だが)

となると我々は

 (1)そもそもなぜコト発想は消費者に刺さるのか?モノじゃダメなの?

  というメカニズムの部分が一つ。

  そして、コトといってもおそらく様々なコトがあり、コトはコトでも千差万別、

  従って 

 (2)どんなコトだったら消費者に刺さるのか?

  さらには企画を行う人なら間違いなく、

 (3)どのようなアプローチでコト発想は可能なのか?

 という方法論の確立は必要である。つまりは、上記三つの問いに対して

 答えを出すつもりで「モノ」と「コト」の違いを明確にする命題に

 向かわなければならない。

 

②ではコト発想って何なのかい?

ここで具体的な事例をあげたい

(1)GoPro

ゴープロ、これはカメラ、ビデオ業界の革命児と勝手に思っているが、このゴープロカメラは典型的なコト発想である。

GoProの特徴は撮影した画像や動画をすぐにSNSにアップできる点である。

つまり、

従来のカメラ:いかに美しい写真を撮影できるか

GoPro:撮影した画像を友人とシェアをして楽しむ

Goproのカメラはその提供価値の目的を友人とシェアを楽しむ、という従来のカメラ業界の方達にはなかった発想なのである。

ここでのポイントは、

・カメラを使う目的を新しい体験に繋げたこと

・そこに共感などの感情が含まれていること

であり、従来のメーカーたちが必死になって行なっていたコトは、美しい写真が撮れるコト、これはこれで美しい写真を撮って写真展に出す、のような体験であるっちゃあるのだが、その体験ってもう使い古されているからWow!はない。

 

(2)バリュミューダ トースター

これも最近爆売れした商品で社長本人が、トースターは美味しいパンを家族と食べる体験を売ってる、というようなことを言っていた気がする。また良い体験は5感を刺激するのだと。

・従来のトースター:美味しいパンを焼く

・バリュミューダ:美味しいパンで家族の笑顔を見る

 

う〜ん、なんかここまで書いてて思ったのだが、実際、Goproにしろトースターにしろ、当時のスペック競争を繰り広げてるアホ企画:プロダクトアウト、に対ししっかりした顧客目線の企画を持ち込んだある意味ちゃんとした「企画」にしか思えなくなってきた。

てか考えてみたら日本だってウォークマンみたいな、音楽を外で自由に聞いて楽しむ

みたいな新しい体験をもたらした「コト」企画はたくさん生まれてきたわけだ。

モノとかコトとか言ってるのは、ただのイノベーションのジレンマに陥っていた日本企業の企画方法を揶揄して表現しているだけではなかろうか。で結論は

「コト」っていうのはお客さんがその商品を使うことでどんな体験をして欲しいか?という、時間軸を引き伸ばしているムニだ。

 モノは時間軸が短く、お客さんがその商品を使ってどんな体験が得られるか、までを考えていない企画。技術的な視点から企画をしてしまうと陥りやすい「プロダクトアウト」と同義に近いでしょう。

 

もう一つ別の方向から取り上げるならコト発想とは、その会社の理念がユーザーに伝わり、それが価値となっているケースがある。

例えば「このドッグフードの売り上げの一部は世の中で病気になっている犬の補助金として使わせてもらいます!」

これはその企業の理念自体に人が共感するコトであり、これもある意味コト発想なのである。

つまり、コト発想とは、

・ユーザーのモノorサービスを使った結果得られる体験を重視した発想

・自分たちの理念や想いが伝わり価値となる発想

の二つを意味すると思う。

 

 

 

③どんなコトなら消費者に刺さるのか?

先ほどの事例を踏まえて何個か挙げるとしたら

・一人よりも二人以上が絡む機会で

・できれば今までにあまりスポットを当てられなかった体験

・共感、一緒に楽しくなる、驚く、など心が動く

というコトなら消費者に刺さりそうですな。

 

④どのようなアプローチでコト発想は可能か?

これはお客さん目線で企画をしましょう、というクソつまらん結果になりそうだ。だって世の中にたくさん企画の方法論が書かれた書籍が転がっているから今更である。

よくいうのは、「お客さんは欲しいものは分かっていないから、自分の経験から発想するのが良い」というのは確かに一理ある。でも人間そんなたくさん経験できるわけではないから、何かしらの方法論が欲しいところだ。

となると、③を自分自身が体験しまくるのが近道かもしれない。

例えば自分の担当商品を使って、友達と一緒にアクティビティに参加したり、イベントに参加してその商品を使ってみたりする。

するとその商品を使った時の体験ができるから、それを起点に発想するのはアリだろう。

他には、観察。日常の違和感をどれだけアイディアに昇華できるかが鍵。

井深さんもアメリカで外にラジカセを持ち運んでる若者の姿を見て、ウォークマンを着想したらしい。

これは違和感力、という力・スキルである。

この違和感力は常人なら見逃すものに気づく力が肝心である。

これはもう心がけしかないであろう。とにかく違和感を見つけてやる、という心意気満々で常に何かを見る癖づけができたら間違いなく企画スキルは伸びるはずだ。

 

 ⑤結論

「モノ」と「コト」は顧客価値を考える視点の時間軸が違う。

コト発想をするためには、違和感力を身につけろ!

眠いので以上!

 

 

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