日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

なぜ人間は本能的に赤ちゃんを可愛いと思ってしまうのか?

どうもお久しぶりです。

もう2017年も終わりですね。

あっという間です。

僕は今年は色々変化があり、家族、職場、仕事、コミュニティあらゆるものが大きく変化しました。

しかし、強いて言えば最も大きな変化は子供が生まれたことによる、思考の発酵時間が延びたことなのかもしれないと思います。

というのも、今までは浴びるように情報を受けていましたが、子供が生まれて子育てを

やっていると、1日のうちほとんどの時間を子供に奪われます。

なので、子供をあやしながらも、頭の中で仕事のことを考えているのですが、これがなかなかいいです。思考をまとめたり発酵したり、十分時間があるので、今までの短絡的な発想方法から、深い思考へと変わって来つつある気がします。

 

さて、今日は、タイトルにあるように、なぜ赤ちゃんのことを我々は可愛いと思ってしまうのか?をちょっと農業革命と絡めた仮説を考えて見ました。

 

□人間に備わっているbaby schema

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3260535/

どうやら人間には、Baby schemaというものがあるらしいです。これは顔が丸かったり目が大きかったり、目や鼻のパーツが顔の下の方にあったりと、愛らしい要素を人間は「可愛い」と思うらしいです。そしてこれは人間だけでなく、動物の子猫やキャラクター、またまた自動車など様々なものに当てはまるらしいです。

このように何かを可愛いと思うことは、人間、特に赤ちゃんの生存確率を高めるために必要なため、人間に備わったと言われています。でも赤ちゃんの生存確率を高めるためにこの特性がほとんどすべての人間に備わってしまったということは、疑問です。

だって、基本お母さんが赤ちゃんは育てるわけですから、出産後の女性だけに赤ちゃんを可愛いと思う特性があればいいですよね?

でも老若男女すべての人にこのBaby Schemaはあるようです。

ではなぜすべての人にこの Baby Schemaが備わってしまったのか、生物の進化の都合上そならざるを得ない理由があったのでは、と思いました。

 

まず、人間は他の哺乳類と比較しても利他的な行動をする特徴的な動物であると言われています。

なぜ人間が利他的な行動をするようになってしまったのか?

ちなみに利他的な行動をする動物の共通点は、自分たちの家族や親戚、仲間たちと同じコミュニティで過ごす哺乳類に見られる特性らしいです。

で、ここから仮説ですが、おそらく人間は、農業社会に変化してから利他的な行動を行うように変化したのではないかと思います。

これまでの狩猟生活では、その日暮らしで、まあ獲物を捕獲できたら、少数の家族でも生きていけました。

しかし、農業生活が始まったことで、人間の労働時間は圧倒的に増えました。

結果、家族の大部分がほとんどの時間を農業という仕事を行います。

当初は生産性も低く、必然的に自分の身を犠牲にして、仕事に取り組まないと共同体が全滅してしまう可能性もあったのかと思います。

これは、結果的に自分のことばっかり考える利己的な特性では、この農業社会はうまく回らなかったのでは?

そこで、人間には利他的に、つまり自分を犠牲にして他の人たちを助ける・支援する利他の精神が農業生活で身についたのかと思います。

 

一方、狩猟生活の頃は基本的に赤ちゃんのことはお母さんが一対一で見ていました。

しかし農業生活が始まるとお母さんも仕事があるので、赤ちゃんの面倒はそのコミュニティの誰かしら手が空いている人が順番に世話をする必要があります。

その時、このBaby Schemaという特性がなければ人の家の子供なんてうっとおしくて殺してしまうでしょう。しかし、Baby shemaが人間に備わっていることで、赤ちゃんを可愛いと思い、結果共同体の人たち全員で赤ちゃんを育てるようになったのかと思います。

また、赤ちゃんをしっかり育てられないコミュニティは労働力の確保ができず、滅びてしまう可能性が高まります。

つまり、赤ちゃんを可愛いと思う特性はコミュニティの生存確率を上げるために全員に必要な能力だったのではないか、という仮説です。

Baby Schemaは農業生活が始まったことによる人間の新たな進化の形なのでは、と思っています。

 

まあ結論的に何が言いたいかというと、人間の進化は農業革命による生活方式の変化で必然的にBaby Schemaという特性を身につけざるを得なかったという仮説です。

農業革命は人間を縛り付けたパンドラの箱と言われていますが、僕はそうではないかと思います。

人間の生存確率は圧倒的に高まり、コミュニテイとして複数の人間たちと生きる社会が生まれた。さらには赤ちゃんを育てあう利他の精神やそれがゆくゆくはお隣さん文化にもつながって生きます。

しかし最近は携帯電話の普及によって、Face to Faceのコミュニケーションが減少したことで、利己的な子供たちが増えてしまっているというデータもあるようです。

やはり、大家族で過ごすことは子供のコミュニケーション能力を育むという点でもいいらしいのですね。