日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

ザキオ的注目プロダクト①スマートゴミ箱

今日は、IoTを活用した良い事例を発見したので、共有したい。

 

 

techable.jp

 

このページを読んでもらえばわかるのだが、

プロダクトの最大の特徴は「ゴミ箱に捨てる商品をスキャンし、買い物リストが作成できる(自動でアマゾンに発注ができる)」

ここである。

商品アイディア自体が良いと言っているのではなく、このアイディアを生み出した思考プロセスが良いと思って取り上げさせてもらった。

 

 

IoTプロダクトのアイディアを考える際、いくつかの切り口がある。

その中の一つに「IoTプロダクトは、従来のユーザーの対象行為に対してその前後の時間軸に着目した新しい価値を提供できる」切り口があるが、

そこに着目した発想方法である。

 

今回の例でいうと、

 

今までのゴミ箱:ゴミを捨てるという行為に対するバリューの提供

→ごみ箱のデザインの変化やサイズ違い、ゴミ捨てのしやすさやゴミを捨てる時期を自動でお知らせ

 

など、あくまでゴミを捨てるという価値の拡大が商品の工夫ポイントであったが、

 

IoTゴミ箱:ゴミを捨てる前後のユーザー行為に対するバリューの提供

商品を購入して、そのゴミをゴミ箱に捨て、ゴミ箱からごみを集めて、ゴミ処理場までゴミを運ぶプロセスのどこかでユーザーの不満を発見できたら良いのだ。

 

今回は、まさに商品購入部分にスポットを当てたわけだ。

 

他にもこの発想方法を活用したIoTアイディアで言うと

・スマート冷蔵庫

→なくなった食品を自動で発注(従来の行動の後工程に着目)

小松製作所 コムトラックス

→事前に作業現場の情報をドローンで空撮して、ユーザーに提供

 作業性のアップ(従来の工程の前工程に着目)

 

があるように従来の行動の前後の工程に着目することで市場機会を発見できる。

 

 

 

是非皆さんもこの「前後のプロセスに着目する」思考方法、

商品企画をする機会があればおためしあれ。

 

 

 

 

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しかし、おそらくこの商品は全然売れないと思う。

なぜなら、

「ユーザーがゴミ箱のゴミをスキャンさせる行為に対して、得られるベネフィットが商品の買い忘れを防げる」、といった価値だからである。

普段ゴミ箱には何の考えもなく捨てるという行為をする僕たちにとって、

スキャンという行為はだいぶハードルが上がる、というかクソ面倒である。

それに対して、あまりに得られる価値が小さいと僕は感じてしまった。

 

例えば、スーパーと連携して、ゴミのスキャンをすることでその商品の割引クーポンがもらえる、

そして、スーパー側にはユーザーの購入データなどを提供して商品開発、広告戦略にいかしてもらうなど、スーパーと連携して仕組みが作れたら強いと思う。