日々の思考の積み重ね

家電メーカー企画マンの独り言ブログ

安売り王一代 ドン・キホーテ

最近読んだ本で自分の中でヒットした本の話をしたい。

 

タイトルにあるように「安売り王一代」というタイトルの本で、

ドンキホーテ創業者の安田さんの自叙伝みたいなものである。

 

この本、安田さんの波乱万丈の人生を描いており、いかにドン・キホーテが日本の

小売業でのし上がっていくのかを説明した、読んでて起業化精神が駆り立てられる本である。

自分もこの本を読みながら、「い、今kigyoせんといつやるねん!」

と思った次第であり、本気で起業を考えたいと思う。

忘れないうちに読んで印象的だったフレーズあげたい

 

①勘と感受性を磨くべし

ドン・キホーテの特徴である深夜営業。自分もそこまで深い考えがあるとは思っておらず、ただの地元のヤンキーとかをターゲットにしてんのかな?

くらいに思っていたが、これは、当時安田さんが一号店の店を開いていた時に、夜遅く店を開けていると、たまたま若者が入ってきたらしい。ここから、若者の中に潜在的にナイトマーケットが隠れていると感じ、そこから深夜営業を行っているとのこと。ドン・キホーテが顧客の潜在ニーズを見出した瞬間である。

このような動物的勘を持ったのは、安田さんが昔麻雀で食っていたことや海外を放浪していたことより、人の心の機敏さに気づく能力があったからだと思う。

 

なるほど、確かにこの点に関しては、DeNAで新規事業立ち上げを行ってた知り合いのと人と同意見のようである。その人も、

「世の中のデータや情報には本当の潜在ニーズは隠れていない、心の闇は自分の感情や経験からしか見出すことができない」

といっていたし、世の中そんなもんだと思う。これは同感。

 

ただし自分が目指す姿は、論理と感情の両刀使いであり、もちろん全く新しい概念はデータだけでは生まれないが、ただしデータもある程度は必要だと思う。

 

なぜかというとデータから情報収集を行って、ある程度トレンド感を把握し、そこを狙う事業を考える際に感受性を豊かにアイディアを考える方が得策、かつ近道であると思うからだ。

 

そんなことも安田さんからしたら必死にやればそんなの関係ない、といわれてしまいそうだが、僕は両方大切だと信じている。

 

ちなみに自分もかなり人の気持ちや心の揺れ動きを感じるのが強い方だと思う。

これは、日常から相手目線に立ってすべての行動を行っているからなのかなと感じる。

相手が欲しいボールを渡す、相手に何を言ったら動くか、相手は今何を考えているのか、正直この技術を学んだのは中学校の頃のようにも思うし、大学時代麻雀に打ち込んだことと、個人経営の居酒屋で店番をずっと行っていたような経験が生きているのかな、と思う。

 

②明確な勝敗基準

ドンキの黎明期、二つの営業所を張り合わせて急激に業績を伸ばしたらしいが、その時に、二つのチームを競わせることやできるだけ大きい裁量権を与えたことが重要だといっている。ミクロな話では、当時安田さんお得意の陳列棚を従業員に教えていたらしいが、全然誰もできなかったらしく、「なぜこいつらわしの言ってることができんのか、あほちゃうか?」と思ったらしいが会社がつぶれる直前までいって逆に投げて、従業員にすべて任したらしい。そうするとあれよあれよ、やる気と自主性を持った従業員が鬼のごとく仕事に身が入りだし、めちゃめちゃ売るようになったらしい。

 

これを読みながら、秀吉がどっかの城の砦を一日で直したときの話を思い出した。これまでは、チーム一丸でやってたのを複数のチームに分割し、競わせることで猛烈に効率が上がったらしい。人間の成長はモチベーションはやはり競争心が大きな原動力である。

この話、というか手法はカーネギーの人を動かすにも、搭載されてもいいくらいの話だと思う。人間を動かすときは競争心を駆り立てる、インセンティブに近いかもしれないが、そのような仕組み作りが有効ってこと。

 

③楽しくない会社では絶対売れない

ドンキでは楽しく売るために社員自体が楽しく働ける環境を常に作っている。そのために社員を信じて自由にやらせる社風であるらしい。これを聞きながら、いかんな、うちの商品を作ってる人たち、目が死んでるからな、と思ってしまった。

これは自分が起業した際も大切にしたいことである。

 

④顧客親和性

若い人に売ろうと思うと、若い人が考えなければならない。年寄りには年寄りが売らないとだめだ、と。つまりターゲットユーザーの心の機敏さをくみ取ることができる仕組みが必要。これに関しては、自分は若い部類になるが、相手の気持ちをくみ取るスキルを身に着けながら、年を取った時も若い時の気持ちを忘れないようにする必要があるとしみじみ。

 

逆張り

この本を一言で述べよ、といわれたらこの言葉を掲げたい。

筆者は常に個性でも事業でも逆張りを貫きとおしてきた。それは、人と同じことをすることは死を意味する、という考えを持っていたこともあるし、生き抜くすべとして必然的に見出したのかもしれない。

世の中が浮かれているときはあえて見を決め込み、不況のときにはあえて張る、というメンタリティーと自分を信じる力が必要なのだと感じる。

 

自分の個性はどうか、逆張りになっているかといわれたらわからない。

ただし、人と同じことをして生きていきたいとは思っていないし、自分の目標を達成するために日々生きている。その手段として逆張りを行うべきときがそのうち来ることもある。だろう。

筆者は逆張りをすることが大切、なんでもかんでも人と違うことをするのがよいとは言っていない。世の中で普通だと思われていることに対して、疑問を持ち、それがおかしいと思えば常識にしばられずに行動しろ、ということを言っているのだと思う。

 

そういや誰かが「常識とは何か?」という質問に対しての答えが「多数派意見」ということを言っていたが、結局多数派意見に飲まれて思考停止状態が意味ないってことでんがね。

 

 

 

以上、この本を読んだ感想であるが、要は、

人の気持ちを機敏に感じ、勇気を持って生きたらでっかいことができる!

というメッセージがあったんだと思うな。

 

ドン・キホーテ、今度行ってみるか

 

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書) | 安田 隆夫 |本 | 通販 | Amazon

 

 

 

 

 

ちなみに安田さんもすごいがわしがもっとも尊敬するイノベーターの方は

以下の記事です。

 

 

 

taitaitai.hatenadiary.jp