もしわしが日本マクドナルドのCEOならどうする?
タイトルの件、今回は短めにサクッと書きます。
1、現状分析
日本マクドナルドは、食品問題を起こし、2008年をピークに売上が低下、
2015年にはピーク時の半分まで売上が下がりしました。
それに伴い赤字にもなり、現在は原田さんに変わり新たなCEOが入り再建を進めてます。
直近では店舗の売り上げも上がり、一時の売り上げには全く届きませんが回復傾向であります。
大きくは以下です。
・直営店比率比率を下げることで収益性を改善
・うまさと安さを両立したコアバリュー商品を拡充する
・QMSを高める
・デジタル化を進め、合理化と顧客の購入機会の間口を広げる
2、マックの脅威
マクドナルドは今後以下の脅威がくると思います。
①少子高齢化の波
②健康志向の波
まあ色々とマクドナルドは既にデジタル化や新メニュー開発をやっているので、
今のマクドナルドが取り組んでいない視点で論じたいと思います。
3、課題と打ち手
さて、今後マクドナルドのターゲット層がシュリンクして行く中、
マクドナルドのハンバーガーという脂っこい商品のコンセプトをずらさず、
どうやって今後顧客間口を広げて行くかが課題かと思います。
では高齢者をターゲットにしろというのは無理かと、なぜならハンバーガー自体のコアバリューを相当変えないと彼らの口に合うものはできないからです。
そこで狙うべきは、ファミリー層の中でも子連れお母さんです。
おそらくマクドナルドの中でもこの層は結構取りこぼしている可能性が高いです。
なぜなら彼女たちは、普段子育てで疲れており、たまにあるよそのお母さんたちと一緒に過ごす時間は、多少上質な空間や食事を得たいという心理だからです。
取るべき戦術はマクドナルドの広い店舗を生かした、新しい店舗空間と食事メニューの開発です。
まず、店舗空間のレイアウトを子供が遊べるスペースを備えたフリースペース型にしてしまいます。
テーブルや席も広めに取ることによって、顧客の回転率を下げる代わりに顧客単価をあげる店舗作りにして行きます。
マックカフェとは違いまして、完全なる子供がリラックスして過ごせる空間、その代わり入場料を取る仕組みにして、全体単価をあげます。
その代わり価格重視でやってくる高校生や若者たちを避けることが可能ですので店舗の雰囲気を保つことが可能です。
店の名前もマクドナルドforプレミアファミリー、のように新しい名前を打ち出してわかりやすいものにします。
直営店の多いマクドナルドだからこそ、実験的にこの店舗を都内で打ち出し、成功したら他の店舗にも拡大して行く、という施策が打ちやすいかと思います。
大企業でハードウェアのリーンスタートアップを行うために必要なこと
どうも明けましておめでとうございます。
現在、ハードウエアの新事業立ち上げ真っ盛りなので、
今自分が手探り状態で進めている「大企業での新事業立ち上げの話」をしたいと思います。
エリックリースのリーンスタートアップを読んでいて、毎回思うのが、
事例がITサービスばっかりやん!!ということです。
まず、ハードウェアの新事業においてあまりITサービスの事例は参考になりません。なぜかというとKPIが違うからです。
ITサービスは導入コストが非常に安い反面、ユーザーの離脱率が高いため、
いかにそのサービスが使い続けてもらうかというリピート率やDAU,MAUが大切になってきます。なのでとりあえず出して、お客さんに使ってもらいながら改善するという手法が使えるのですが、
一方ハードウェアは基本導入コストが高く、一回買ってもらえばそれなりに使ってもらえるため、なんだかんだいかに買ってもらうかが勝負です。
ただしサービスをぶち上げるための金型投資なんかも結構かかってしまったり、
一番難しいのはサービスのスケール性をできる限りやすく、お手軽に判断するのが難しいです。
なので、今の自分がやってるB to B向けのハードウェアサービスをベースに説明したいと思います。
1、アイディアを形にする段階
まずは本当にしょぼくても良いので、MVPを作るところからスタートします。
ハードウェアはパワポ資料では全く伝わりません。
まずは本当にしょぼくても良いので、何かしらの形にしてみることが重要です。
ここで「お金がない」という文句を言うのはやめましょう。
今は3Dプリンターが使えるコワーキングスペースなんて腐る程ありますし、ハード系の会社に務めている人なら社内のコネで形にしてくれる人を見つけたりとなんでもできます。
そして、このMVPを眺めながら大切なこと、それは
自分の心の声
を聞くことです。
不思議なことに感じます。めっちゃいい!
もっとこうしたい、つまらない、やる気なくなっちゃった。
ここは改善した方が良い、ここはこうした方が良い、など色々と感じるところがあるはずです。
その心の声を聞いたら再度プロダクトを自分なりに改善して、できる限り自分で納得できるものを作ってみます。
2、エクストリームユーザーの生の声を聞く
プロトタイプができたら、自分の商品を気に入ってくれるお客様を見つけるところが重要です。ここで社内の人間に聞いてはダメです。なぜなら新しいものであればあるほど、誰も良いとは言ってくれませんし、ダサいプロトを見て誰も良いとはいってくれないでしょう。
お客さんの声を聞きに行きましょう、その中で感度の高いお客さんは確実にいて、
その人は不完全でぎこちないプロトにも、その最終品の姿を脳に描き、
現実世界で使われている様子を頭の中で再現してくれて、いいじゃん、と言ってくれる人がどこかにいます。
ここでの目標は実証実験に協力してくれる企業を探すことです。
この企業を捕まえたと言う事実が大切です。
3、実証実験のスタート
さあ、ついにあなたのプロダクトを気に入ってくれ、実証実験に付き合ってくれる企業やお店が発見できました。ここでは社内を説得して、とにかく金を集めて実験に耐えられる試作機を作ってしまいましょう。
数百万レベルなら、偉いおっさんのポケットマニーでいけるかもしれません。
誰か強力な上位者の味方を引き込んでおく必要があります。
ここでできれば実験先からはお金を払ってもらって実験をしたいところですが、強気な態度は正直難しいと思いますので、まずは無料で良いかと思います。
4、マネタイズについて議論
さて、無事実験が終わり、ある程度期待通りの成果も出ました。
この結果を受けて、実験をしてもらった企業にお金の話をする必要があります。
ズバリ、「いくら払ってなら継続的に使って見たいですか?と。」
ここは逃げずにどストライクに突っ込んで行きましょう。
ある程度この時点では、事業計画を作っておき、どの金額なら事業が回るか、と言うことを裏でしっかり考えておく必要があります。
ここがひとつの分水嶺。ここで全くもって箸にも棒にもかからない価格を提案されたり、向こうがいらないと言う顔をしたら事業撤退のサインです。諦めましょう。
ただし向こうの回答した価格がある程度いけそうな価格なら、脈ありです。
5、スケール性についての議論
大企業で間違いなく出てくるのが事業のスケール性です。
有力キーマンへのヒアリングや展示会の出展でさらにいろんなお客さんにヒアリングを聞きます。この声を集めてうまくスケール性を判断するベースの情報を集めて行きます。
ただしスケール性を判断するのは非常に難しいです。
なぜかと言うと、いくら言葉で集めてもお客さんが
・本当に買うかわからない。
からです。
これを打開する方法は二つあります。
一つは濱口秀志氏が提案するβ100という方法です。こちらはネットを調べたら書いているのですが、簡単にいうと、簡易な実販売所を作って、そこにお客さんを招いて、
買うか、買わないかを100人に聞くというものです。
その人数からシェアを割り出して、事業のスケール性を判断するというものです。
これはいいと思うのですが、実際に難しいのはお客さんを100人よんでくることです。
二つめは、地域を絞って商品販売を仕掛けることです。
例えば東京の渋谷区限定とか。
この地域限定でどの程度のシェアを達成できそうかを試算し、それを全国展開として試算したときに事業のスケール性を判断すべきかと思います。
とまあ自分の事業は今この事業のスケール性の判断段階ですので、ここまでしか自分が体感したことは語れません。
次は実際に商品発売をしてどうやって事業をスケールして行くか、もありますし、
初期ロットの販売台数や投資金額はどうしたか?なども難しい判断をしいられます。
またいずれ論じたいと思います。では。
【書評】レゴはなぜ世界で愛され続けているのか
久しぶりの書評である。
LEGO。レゴ。僕も子供の頃よくお世話になった。
レゴの懐かしい思い出といえば、自分で作ったレゴ作品を祖父に採点してもらっていたことだ。
救急車、飛行機、車、家、あらゆるものをレゴで作り祖父に見せるのだが、
祖父は意地悪でだいたい、60点〜70点くらいしかくれなかったが
祖父と離れる最後の日の作品は100点をくれた、という懐かしい思い出があった。
そんなレゴの近年の素晴らしい好業績の秘密を解き明かしたのが本書だ。
ビジネス本なのに、ストーリー仕立てでかなり面白く、久しぶりにビジネス書で引き込まれてしまった。
この本ではレゴの歴史から組織論、イノベーションの起こし方など、様々なことが述べられているが、なぜレゴがイノベーションを起こし続けられるかについて、僕が個人的に面白いと思った観点を述べたい。
1、アイディア創出について
ユニーク⑴ヒット商品は担当者の強い想いが起点
レゴでは2000年ごろから、従来のレゴの枠にとらわれない様々な商品を開発してきたが、ヒットした商品は担当者レベルの強い想いがスタートになっている。
スターウォーズコラボやレゴ型ボードーゲーム、組み立て型アクションフィギュアなど、これらはいずれも担当者の強い趣味や経験から思いついた発想であり、簡単には商品化はされていないが、商品化された折には爆発的ヒットをしている。オモチャ業界という特殊な市場でも変わらず、担当者の熱量はイノベーションを起こす必要条件であり、面白いことに内から外へのイノベーションスタイルである。
ユニーク(2)ミッションが創業以来変わっておらず、顧客への提供価値そのものである
レゴのミッションは創業当時から変わっていない。本書には以下の説明がある。
「私たちが目指したのは子供達にとって人生の準備になるおもちゃを作ることでした。子供達の想像力をかきたて、創造への意欲を引き出し、人間の生きる原動力になっている想像の喜びを育むおもちゃを提供したいと考えました」
子供の想像力を育む、というミッションが変わる必要がないのは、人間にとってそのミッションは時代が変わっても普遍的であるからだ。
レゴが強いのはこのミッションが顧客への提供価値としても色褪せないことである。
今の時代はミッションを定めること自体の難易度が高いが、企業ミッションとして変わらず定め続けていることこそが、レゴの強みであると感じる。
アマゾンのジェフベゾスも「10年後にも変わらない人間の本能を見定めることが重要」と言っているが、これから起業をする際にも、人間の変わらない本能を見定めて事業を起こすことが息の長いビジネスにつながると思う。
ユニーク(3)市場分析はアイディアの正しさを証明する補強材料として活用
レゴでは勿論市場分析を行うが、あくまでそれは企画の確度を高めるための手段として使っており、企画立案自体を市場分析から行ってはいない。
2、アイディアを精査する軸
結構面白かったのが、ここなのだが、レゴでは新しく出てきたアイディアを以下の判断軸でチェックしている。
⑴今までに見たことない
⑵間違いなくレゴ
⑶年間売上高200億を達成する可能性
まずアイディア時点で(3)を判断軸に入れるのは通常のデザインシンキングと相反する。しかし、レゴはあえてこのポイントを入れているのである。これは200億以下の事業は行わない(収益が伴ない)という強い利益率へのこだわりを示しているということである。つまりレゴは新規事業創出の戦略目的をトップラインの向上という強い意思を持って取り組んでいるのだ。この辺りが「とにかく新しいことをやらねば!」という日本企業と一線を画するところである。
また、(2)の間違いなくレゴ、だがこのレゴの原則を社員全員が把握しておかなければこ成り立たない論点である。ちなみにレゴ初の組み立て型アクションフィギュアを発売した際にもこのレゴらしさの原則とは何かが議論に上がったが、その時には「組み立てることができる」ということであった。組み立てることができるということが子供の想像力を育むことに強く繋がっているということである。
つまり、ミッションが浸透しているからこそレゴらしさの軸が取れるのだ。
3、アイディアのブラッシュアップ方法
特におもちゃ業界という特殊な市場で、どのようにアジャイル開発を実現するのかと気になっていたが、レゴの場合、とにかく試作品を子供に触らせるようだ。
本書より
「開発チームは段階ごとに子供を集めて、開発中のおもちゃで遊ばせ、その様子をじっくり反応した。
どういうおもちゃが最も子供達の興味を惹きつけられるかを見極めるためだ。ここで子供たちから良い反応を得られないアイディアは次の段階には進めなかった。
(中略)
子供達の想像力を掻き立てられるかがどうかが、このテストでのポイントだった。例えばおもちゃを見せたとき、子供達が長時間飽きずに戦闘シーンを空想したり、話を作ったり、あるいはそのセットで遊んだりすれば見込みのあるおもちゃだと判断できた。
」
ここでもミッションが登場しているが、見極めポイントが子供の想像力を掻き立てられるかどうか、というのがシンプルにして非常に強力な仮説検証になるわけだ。
以前、任天堂のマリオ開発者の方が新作ゲームを作る際の検証をどうするかという質問に対して、
「とにかく子供に遊ばせてみる」と答えていたが、同じことである。
この方法を通じて、企画を研ぎ澄ましていくのだがレゴでは初めから使えるブロックの数やサイズ、色には制約があるらしい。これは勿論部品を共通化することで原価率を下げる目的があるのだが、この制約があることで、逆にデザイナーたちのクリエイティビティは高まるらしい。
以上だが、僕がこの本書で最も感銘を受けたのは、レゴ創業者の初代と2代目が何年もかけてレゴブロックを開発したストーリーであった。
当初のレゴブロックはうまくブロックのはめ込みができず、使い物にならなかったが、何年も凹凸の研究を重ねることで今の原型が出来上がった。
何気なく自分たちが遊んでいた外したりくっつけたりできるレゴの構造には長い研究の末、完成した人たちの強い根気があったからであり、「できる限り手軽に成果を求める」現代には失われている価値観である。
これほどまでに時代が流れても色褪せない価値を提供するレゴブロック。
子供に買ってあげたくなっちゃいますね。
レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理
黒澤明の生きるを見て、喉元過ぎれば熱さ忘れる人間の弱さと良さを痛感した
黒澤明監督の「生きる」を見た。
時代は変わっても、今の時代と問題は変わらないなと思う反面、
意外だったのは70年ほど前の日本でも同様に
「仕事にやりがいを感じられない」という心の声があったのか、ということであった。
この映画は1953年公開である。
しかし、この時代背景としては、戦後間もないし、
みんな生きてるだけで儲けもの、それこそ働くことに全ての人が生き爛々としている、
と思っている時代だと思っていただけにびっくりであった。
生きるの主人公の職場が公務員だったということもあるのか?
この映画で、黒澤明監督は何を描きたかったのか、
もちろん、
人間死を意識したら素晴らしい力を発揮できる、
や
普段健康で生きていることに対してのありがたみを感じてほしい
という一面もあるかもしれない。
が、僕が思うに黒澤明がもっとも伝えたかったのは「人間は喉元過ぎれば熱さ忘れる」どうしようもない生き物であり、それはまぎれもない事実である、ということであるだろう。
戦争で死ぬような思いをしても、みんなしばらくしたらその辛さを忘れる。
震災もそう。
肉親の死もそう。
最後の主人公の葬式で、主人公の行動に感銘を受けた会社の人間が
「これから心を入れ替え頑張ろう!」
と誓うが、今まで通り仕事をたらい回しにする最後の結末、ワンシーンがそれを物語っているだろう。
この映画を作ろうと思った当時、黒澤監督の目には日本が平和ボケしているようにも感じたのではないか?だからある意味アンチテーゼとして、生きる、を作り、もう一度みんな戦争で亡くなった人たちのことを思い出せ、というメッセージが込められていると感じた。
人間はある意味、本当に都合のよく忘れられる生き物なのである。
それが人間の良さであると思う。
だから、同じ過ちを繰り返してしまうのだが。
もしもわしがCEOならシリーズ 〜三菱UFJ銀行〜
もしもシリーズ第二弾です。
ちなみに第一弾はこちら
さて、今回はフィンテックやらキャッシュレスやらで話題の金融業界、その中の雄、
三菱UFJ銀行です。
私も大学生の頃からUFJは愛用していますが、ついこの前、かなりムカつく対応を窓口でされたのと、あとは最近私たちのオンラインコミュニティに金融関係の人も増えてきたので、ちょっと考えて見たいと思いました。
1、現状分析
⑴三菱UFJ銀行の歴史
ざっと背景を理解するために、UFJの歴史を理解します。
東京銀行や三和銀行など、歴史がある名門銀行が合併を繰り返し、今の形になりました。
(UFJHP参照)
(2)売り上げ推移
現時点の売り上げは4兆程度ですね。利益率もリーマンショック以降低下傾向。
銀行は基本的に大不況のタイミングで吸収合併を繰返してきました。
(特にバブル経済崩壊後のタイミングで多くの銀行が合併)
なぜ合併を繰り返すのかというと、銀行のビジネスモデルは息が長いので、急な不況で財務体質が悪化したら合併を通じて収益性を改善しないと死んでしまうからですね。
(3)事業領域
事業領域ですが、大きく以下です。
①国際個人、法人サービス :売上比率 約60%
②国内個人向け 約20%
③国内企業向け 約11%
④そのほか
て感じです。
想像以上に①の海外売上げ比率が高いですね。
ちなみに同じメガバンクの「みずほ」は海外比率が20%、「三井住友」は30%より、
三菱が海外展開が進んでいることがわかります。
また、具体的なサービスとしては、
・融資(個人、企業含め)→これは様々なサービスがありすぎて複雑です。
・コンサルティングビジネス
・決済を軸にしたIT支援サービス
等既存の融資の枠に留まらず、優秀な銀行マンの頭脳を生かした課題解決型ビジネス展開を図ろうとしてます。
(この辺り細かい数字はなかったのですが、融資ビジネスが以前メインの収益源であることは間違い無いでしょう)
現時点の戦略としては部門横断的にデジタル化を進めていきながらも、主に国内市場に向けては以下の戦術展開です。
・中小企業向けに財務サポート含めた融資ビジネス展開により、市場シェア拡大
・新ビジネスモデルの構築
ブロックチェーンを活用した新しい国内外、簡易決済サービス
ベンチャー企業支援
上記の取り組みは下手したら、自分たちの首をしめる可能性もあるので、この辺の調和をいかにうまく取りながら、事業展開していくか大切ですね。
2、課題
大きく二つあります。
一つは海外展開です。
海外市場についてはさらなる事業拡大のため、どうやって海外展開を行っていくかです。ちなみに世界No1の時価総額はBank Of Americaで売上9兆円ほど。
こちらはまたいつか書きたいと思います。(いまは論じるほど情報が集められていない笑)
もう一つは国内市場。今回はこちらにスポットを当てます。
まず国内市場、全体的な収益としては増加傾向ですが、
やはり国内市場の個人、法人ともに収益減です。
国内リテールは円預金や運用商品の粗利が低下。また、法人向けも預金、貸出両方減少傾向です。
単純にみんな銀行にお金を預けたり、借りなくなっているということです。
つまり企業自体が金を持つし、借りなくなるし、それの使い道に困っているということでしょう。
さらに個人向け市場でも、これまで重厚長大な中央集権システムを作ってきて、その利ざやで儲けてきましたが、近年はテクノロジーの進化で、銀行に頼らずにお金のやり取りや資金調達ができるようになってきました。
ゆえ、今後銀行業が直面する課題はいくつかあります。
(1)国内市場の縮小
(2)デジタル化に伴った新たな決済手段や資金調達方法の出現による銀行業のプライオリティの低下
(3)仮想通貨の出現による新しい経済網の出現
(4)リアル店舗の在方やATMの運用(遊休資産になる)
この事実に対して、UFJは、
「いかに既存資産や強みを有効に活用しながら、国内市場の新しいマーケットを切り拓くか」であると考えます。
3、打ち手
その前にUFJの強みは何か?
それは
・優秀な人材(財務管理やオペレーション的な意味で)
・リアル店舗、場
・豊富な資金力
です。
それらをうまく活用できる新たな事業を作っていくことが今後必要になります。
⑴B to B向け:リアル店舗を活用した融資先企業誘致と留職事業
まず、国内市場の収益を守るためには、大企業ではない、ベンチャーや中小企業の
融資顧客のシェア拡大が必須。
そこで、新たな融資顧客と出会うための場と確度の高い投資を行えるための仕組みを内部に作ります。
最近のよくある動きはスタートアップのアクセラレイタープログラムを銀行が行い、そこで有望なベンチャーには出資を行うという流れですが、正直銀行の人間はワイコンの人間でないので、スタートアップを見極める目を持っていません。
しかし、今後しっかり融資事業をてこ入れしていくためには、ここを内部の競争優位性として所有しておく必要はあるでしょう。
つまり、銀行側の課題はその企業やベンチャーの将来性を見極める仕組みを持つことです。
一方、新規ベンチャーや中小企業は人手不足で即戦力を求めている。
ここで、UFJの優秀な人員とリアル店舗のリソースが活用できる施策を考えます。
名付けて、「共に走りながら融資見極め〜UFJ社員の融資先企業派遣として送り込んじゃえ〜」
銀行の既存店舗の窓口業務の一部スペースを完全にサテライトオフィス化します。
そして、そのサテライトオフィスに中小ベンチャーを招き、彼らに自由にオフィスとして使ってもらいます。
ここまではよくあるコワーキングスペースですが、ここの特徴はなんとサテライトオフィスを利用する企業にUFJ社員が一名必ずサポーターとして入社(留職)してくれます。
②UFJ社員を融資見込み企業に送り込む(留職)
留職したUFJ社員の役割は二つ。
一つは日々の彼らの業務サポート、
もう一つは、その企業のリアルな状況を直で見て、彼らの事業性や投資判断の検証です。
これにより、UFJ担当者はベンチャー企業の財務状況や人員の優秀さ、事業性など、
融資案件にとって必要な情報をを日々リアル実感値として体感し、日々の情報を通じて、その会社の有望性を判断できます。これらを各拠点で1クールごとに行うことで、着実に融資案件が増え続けます。
さらにこれらの業務プロセスを繰り返すことで、UFJ内の社員のスキルはベンチャー企業で働けることでスキルアップするとともに、UFJ銀行内に投資事業のノウハウが蓄積され、より高い精度で投資判断を今後行うことができます。
今後銀行の窓口業務も減少していき、土地の使い方が課題になるので、ちょうど良いでしょう。
(2)B to C向けサービス
①リアルファンディング窓口
三菱UFJの課題は、いかに銀行に眠っている個人資産の活用を促すかです。
彼らが自分たちの資産を活用することで、国の経済は活性化し、かつ、
消費が活性化すると資金を借りる人も増えるでしょう。
先ほど論じたリアル店舗に様々な企業が集まるようになれば、
その企業のピッチイベントをリアル店舗で毎日開催できます。
そこに、UFJ銀行の預金口座をもつ一般客を集め、彼らに投資を行わせるのです。
投資と言えど、一口10万円程度の少額出資ですが、100人集まれば1000万円です。
つまり、彼らの眠っている資産を有望な企業に促す仕組みを作ります。
代替引退したら株式にはまる人もいますが、これからはそこに体温が必要です。そうなると直接株式を買う企業のリアルな顔が見える場をUFJは作れば良いのです。
UFJは胴元としてうまく場を仕切りながら、適切なリターンの設計や回収リスクなどを見える化し、ある意味楽しくローリスクで投資ができる場の設計を行います。
②カードレス社会の実現
一方、現在進むキャッシュレス社会ですが、三菱UFJは戦い方のアプローチを変えます。それはQRコードの先、顔決済に行ってしまう事です。
まず、三菱UFJのスマホアプリが存在しますが、顔認証登録をしておける機能を実装します。
そして、店舗にて据え置き型カメラで顔認証を行えるようにする機器をばら撒きます。組む提携企業はパナソニックです。
パナソニックはカードリーダーのシェア一位ですが、彼らもカードリーダーがキャッシュレス社会の到来で市場がごっそりなくなってしまう恐れを持っています。
ただし、パナソニックが有する顔認証技術はかなり精度が高く、カードリーダーの代わりに据え置きのカメラをレジにおいておき、三菱UFJの口座を所有している人は自動で
顔認証を行い、決済が済むようにしてしまえば良いのです。
これは既存のキャッシュレスの先を見越したプラットフォームになり、
さらには今後あらゆることがスマホなしでできる社会の実現を見越したものです。
以上が私の考えるUFJの打ち手です。
これらの打ち手は何かというと、
UFJに口座をもつ人たちと出資を求める企業たちが混じるある場を作り、
彼らが楽しくお金を使える場作りを行えるということです。
これからのUFJや金融業が生きる道は
お金を貸す、その先、お金をどうやって楽しく使えるか、であり、
その道筋を作り上げることになってきます。
ちょっと色々と中途半端ですが、そのうち加筆して行きます。
ではでは。
典型的にダメなサービスである家電の定額制
上記ニュースを見て、この企業と企画した人間のあほさ加減に神経を疑ってしまった。
パナソニックがテレビのサブスクリプションを始めたようだ、問題はその価格である。
55型が3年契約、毎月約8000円。3年で30万円、あほすぎる。
まず、価格の決め方がプロダクトアウトである。
おそらく最低限の収益性が担保できる価格に設定したのだろうが、こんなの高すぎて誰も使わないし、これくらい払う人なら自分でテレビを買うという感じである。ターゲットもコンセプトもない、クソ企画であり、というかただのテレビの月額払いの購入である。
まずサブスクリプションがなぜ求められているか、その時代背景を理解していないからこんなあほ企画をしてしまうのである。
導入コストを下げることでまずは使ってもらいながら、継続的につながり続けることで日々お客さんの情報を得ながらサービス改善&拡充して行くことができないサブスクリプションは死ぬだけである。
また、サブスクリプションの方が安定的に収益を生み出せることと、毎回新商品を定期的に発売する博打的経営から、小規模の改善を繰り返すことで開発リスクも低下するメリットなどがある。
もし仮にテレビでそれを行うなら、テレビ+αのコンテンツサービスを含めて展開を行うべきである。
さらに、テレビの利用時間をモニタリングしてその利用時間に合わせた費用請求をしたら良い。使ってない人に金を請求するのはナンセンスである。
そうするとKPIがテレビの利用時間、つまりお客さんがテレビで過ごした時間になり、どうやったらテレビで過ごしてもらえる時間を高められるかの様々な知恵が出る組織の仕組みになる。
昔の記事でもそう論じている。
せめてやるなら持ち運びできる小型テレビである。
なぜなら最近テレビを持たない人が増えているが、
その代わりお風呂でテレビを見たり、旅先に持って行ったりと「その時間を楽しみためのアイテム」としてのテレビ需要が増えている。
そういう人はミニマリストであり、テレビを所有から利用、というコンセプトにも合致しやすい。
まあこんなあほ企画しかできない大企業をどうやって変えて行くかが今後の日本の焦点になる。
スティーブ・ジョブズを超える最強のイノベーターは?
みんな、フレデリックテューダーという人をご存知かな?
おそらくこのブログを読むマイノリティの方達は確実に知らないだろう。
いや、おそらく日本人の99.999%の人は聞いたこともないだろう。
だからね、僕はね、声を大にして言いたい。
彼こそが最強のイノベーターである、と。
フレデリックテューダーを前にしたら、スティーブ・ジョブズはリンゴ農園の親父に、ジェフベゾスはただの本屋の販売員に思えてくるだろう。
この方のスケール感、不屈の精神、資金調達力、図太さ、交渉力、全てが異次元。
荒唐無稽なアイディアを信じ実行した結果、財産と自由を失い、
しかし、最後に大富豪となった彼の人生をみんな知って欲しい。
1、フレデリックテューダーは思い立ってしまった、熱帯地方に氷を運びたい。
フレデリックテューダーは1783年生まれのアメリカの実業家である。
別名KING OF ICE。彼が起こした事業はなんと「氷貿易」である。
そう、この時代氷とは貴重なもので、もちろん製氷機や冷蔵庫など存在せず、天然の氷を船で氷のない地方に運んでいたのだ。現代の感覚からしたらそんなあほな、氷なんてすぐ溶けるじゃないか、ということだが、まさかのそんな非常識な事業を作り上げ、氷貿易という一大産業を作り上げだ人物がこのテューダーである。
(こちらがFrederic tuder先生です、偉人感しかありません:wikipedia参照)
ボストン生まれの田舎町のボンボンであったテューダーは
幼い頃から氷に親しんで生きてきた。
当時のこの地域の人の生活は、冬の池の氷を夏まで保管しておくことで、飲み物を冷やしたり、アイスクリームを食べたり、氷の恩恵を受けた生活を送っていた。
まあ氷はタダではあるが、貴重なものであった。
(そういや日本でもこの時代、殿様に氷を運ぶ職業があったらしい。夏に届けてかき氷を食べさすのだが、これがすごい贅沢だったのだとか)
そして彼が17歳の頃、カリブ海に家族で旅行に出かけたことが運命の転機となる。
この時代、もちろん熱帯地方には氷なんてものは存在しない。
テューダーはボストンとは大違いの蒸し暑い気候で過ごし、彼らの生活を眺める中で、
うっすらと氷貿易の可能性を感じたのだ。
「そうだ、彼らに僕の街の氷を届けてあげよう、氷があれば夏は涼しいし、食事は保存ができるし、アイスクリームを食べさせてあげたら喜ぶぞ〜!」
月日は流れ、テューダー22歳、兄たちとついに氷貿易会社を設立した。
事業は「熱帯地域に天然の氷を船で運んで売る」というなんともシンプルで最高な事業である。まさにシンプル馬鹿。
実は一緒に起業した兄たちもテューダーのこのビジネスに懐疑的であったし、
メディアでも「Mad project」と叩かれる。
親父にも破滅的だ、と言われる。
しかしテューダーはその可能性を信じだのだ。
自分はこんなに氷の恩恵を受けているのだから、
暑い地域の人の方が氷の恩恵をもっと受けるだろうというシンプルな理由だった。
熱帯地域の人は氷なんて見たことも聞いたこともないからこそ、そこに新たな市場がある。
このテューダーのシンプルだが未来を見据えた慧眼。
日々競合他社にケツを追いかける我々家電メーカーは今こそテューダーの崇高な思想、そしてコトラー先生の格言を思い出すべきだ。
そう、事業とは顧客の創造なのである。新しいマーケットを作り上げろ!
●テューダーからの学び
事業家とは顧客の創造が仕事である。
2、氷を運ぶも需要がなく大失敗
テューダーの会社の初陣は、氷を運ぶことにおいては成功したのだ。
なんと氷80トンをボストンから数週間かけて西インド諸島まで運んだのだ。
テューダーは感覚的に氷は数カ月は持つことを知っていたのだ。
しかし、問題は別にあった。なんと全く需要がなかったのである。
赤道直下で生まれてこのかた冷たいものなんて触ったことがない人たちは
氷を全く理解できなかった。
考えて見たら氷とは手段である。目的はものを冷やしたり、食品の保存を長くしたりという価値を理解して意味がある。
しかし、「冷やす?What's 冷やす?それ美味いの?」の概念の人たちにとって、
冷やす恩恵を理解させることほど難しいことはない。
そんなことをやっている間にテューダー達の氷はどんどん溶けてしまった。
結局テューダー達は少しのアイスクリームを現地民に食べさせて、
40億の赤字を出して初陣は盛大に失敗に終わった。
この時代の事業リスクは今とは段違いである。そもそも航海をするだけで死ぬかもしれない。
今の時代にようにアジャイル開発だ、なんとか言って試作機を作って、
お客さんの意見を聞ける時代はいい。
しかしローリスクゆえに他社との競争が激しいし、何よりピボット前提で
初期の方向性に固執できないというデメリットもある。
しかし、逆にこの時代に試作の氷なんて作って、お客さんの意見を聞いていたらどうだろう。間違いなく「うん、需要ない」で終わっていたはずだ。
日々ピボット前提で弱気だし顧客の声に翻弄させる我々だが、
新事業にはお客にその価値を認めさせる執念も必要なのだ。
●テューダーからの学び
自分が信じる価値を顧客に理解させることが事業である。
3、苦難の連続、めげずに技術開発
それからテューダーは諦めずに氷を西インド諸島に届け続けるが、全く価値を認めてくれない。
この時代、おそらく一回の航海で莫大な費用が必要であり、めちゃめちゃハイリスクな事業であることは間違いないが、
テューダーは氷貿易をやり続けだのだ。
そうするうちにテューダーの会社の資金は彼の届けた氷同様、溶け続け、そこをつき、さらに金を借りるも返せずに借金未払いで刑務所に入れられてしまう。(しかも二回も)
テューダー絶望の28歳である。
普通ならここで諦めて、農家でも大人しくやるか〜となる。
しかし、彼は圧倒的にしつこかった。完全に会社にいたら嫌われるやつである。
金がなくなったテューダーは、金がないなりに策を考える。
一つは空の貿易船に狙いを定め、彼らに氷を運んでもらったのだ。
当時はニューイングランドと西インド諸島で定期的な貿易船が動いていたが、輸出物がないニューイングランド初の空船に狙いを定め、テューダーは格安で氷を運んでもらった。
二つ目は、氷の持ちを長くするために、おがくずを氷と氷の間に挟んで保存し運んでもらうことで、通常よりも氷の持ちが良いことを発見したのだ。
おがくずも製材所の廃棄物であるため、激安である。
さらに輸出先の現地では、氷の保管庫の開発を行った。
二重構造の特別な保管庫を設計開発したことで、氷を現地に届けた後、ここに輸出した氷を保管でき、販売する仕組みを作ったのだ。
金がないなりに何かを考える。テューダー執念の事業継続であり不屈の精神。
日々資金繰りに怯える起業家たちよ、テューダーはこう語りかける、
「金はなくなってからが勝負じゃ!」
●テューダーからの学び
金がないならしょうがない、使えるものはなんでも使え
徐々にテューダーの氷貿易のパーツが埋まって行くのであった。
正直この間、どうやってテューダーが資金調達したのか全くわからないが、
事業の夢を語って人を魅了し、パートナー提携を行い、資金を集めたのだろう。
まさにアントレプレナーそのものである。
4、ついに利益を生む、道が開ける
1818年、テューダーは初めて氷事業で利益を産んだのだ。
事業をスタートして15年目、35歳のときである。
荒唐無稽に思えた事業が長い年月をかけてついに芽が出だのだ。
そこから怒涛の快進撃が始まる。
氷の採取方法を馬を使った新たな方法を開発し、従来の3倍以上に氷採取の効率化を行った。
世界中に貯氷庫を構築し、サプライチェーンを構築したテューダーの事業の参入障壁は恐ろしく高い。しかも天然の氷の原価はただである。
かかる費用は物流費や維持費、販促費のみである。
氷の冷却運送技術はブラックボックスになっているし、氷を採掘するノウハウ、さらには氷を活用した販売網やプロモーション、氷を使ったプライベートブランド商品など、まさに現代版アマゾンである。
各地で有力なバイヤーとも契約を行い、氷を売りさばきまくった。
この事業のコアコンピタンスは何かというと、サプライチェーンである。天然の氷を採取し、どうやって溶かさずに消費者まで届けるか、その運搬から現地保管、販売までのサプライチェーンにテューダーの会社が築いたノウハウがあるのだ。
しかし元を正せば、テューダーが10年以上、毎年氷貿易で失敗してきた問題を一つずつ解決してきたこと、これが事業の優位性に結びついたのであり、はじめから狙ってできたことではない。
新事業のプレゼンをした際に、知った顔で二言目には「この事業の競争優位性は何?」という部長共に言ってやりたいわ。「競争優位性なんて始めから狙ってできるもんじゃないわ!馬鹿者!」
●テューダーからの学び
競争優位性は現場の失敗から生まれる。
5、圧倒的成功、敵に対する過酷な仕打ち
テューダーの氷貿易は世界を変えた。
世界中に販路を構築したテューダー、その販売網はインドを始め、中国や日本にも及ぶ。
インドはテューダーにとって最大のマーケットになり、最も利益を生むことになる。
氷を通じた恩恵は生活を変えただけでなく、別の産業も生み出した。
例えば食品輸出。
これまで食肉は運搬中に腐っていたが、氷と共に運搬することで、長期の保存が可能になり、食品輸出という産業が生まれることになった。≈
またテューダーの逸話としてこんなことがある。
テューダーの事業が軌道に乗った時、
当時冷却装置を開発していたゴリーという研究者がいたのだが、
その装置が作る氷は細菌が入っている、というネガティブキャンペーンをしたのだ。
(これによりゴリーの装置は事業として芽が出ずに終わってしまう。
なんともかわいそう。)
自分の事業の敵は徹底的に叩き潰す。この強さ。これこそアントレプレナー。
数十年後にはゴリーの技術がベースとなった冷蔵庫やエアコンが普及したことで、
氷貿易産業は終焉を迎えることになるのは皮肉であるが。。。
6、最後に
実は若き日のテューダー、面白いことに彼はあるデマを信じていた、
それは「アイスクリームがイギリスからトリニダードトバコまで凍ったまま運ばれている」というまた聞きの話であった。
これは完全にデマなのだが、この話を信じ切っていたテューダーは「アイスがいけるなら自分も氷が運べる!」
と思い立ち起業したのだ。
荒唐無稽の少年の夢が一大産業を築いてしまったのだが、その一つに上記のデマは間違いなく起因していたはずだ。
しかし、テューダーが仮にお利口であり、知識があり、猜疑心の強い性格だったら、
上記の話を嘘と見抜いたかもしれない。
しかし、テューダーは無知であったから可能性を信じ、行動したことでその真実を証明したのだ。
僕たちは普段、お利口に囲まれて批判を浴びる立場であるが、
ある意味無知ほど強いものはなく、実際の行動でしか事業の可能性を
証明できない、そして何があっても諦めない「不屈の執念」
これを氷王のテューダーから学ぶべきである。
●テューダーからの学び
無知は強く、行動と執念こそが事業を創る